大井の的場文男騎手を超越した?フランスの偉大なホースマン

64歳と聞くとどんなイメージが浮かぶでしょうか?こと仕事においては65歳目前の引退間近、バリバリの現役というイメージは少ないかと思われます。ところが中には第一戦で活躍する人もいるんですね。今回は、フランスで偉業を達成した64歳のホースマンのお話です。今月1日に行われたフランス・ポンティヴィ競馬場の6レース、芝2700mで行われた条件戦で優勝したジェラルド・ギレルモ騎手です。もちろん日本での知名度は限りなく低いとは思いますので、あわせて経歴もご紹介しましょう。1953年3月28日生まれの64歳。フランス国内の競走では史上最高齢の公式優勝記録になりました。

これだけでも充分ニュースとなる記録ですが、更に何よりすごいのはこのギレルモ騎手、調教師として活躍しながら自身の管理馬に騎乗しているのです。ジョッキーとして昨年の成績は59戦0勝、勝利は2011年以来実に6年ぶりということで、一層うれしい勝利となりました。そして騎乗馬のサニーサハラも現在9歳の牝馬と少し高齢になりますがこちらも特殊な環境にあり、既に繁殖に入り出産を経験して3年前に現役復帰した馬です。ディープインパクトの母ウインドインハーヘアが初仔の受胎中にG1を勝利した逸話も有名なように、妊娠中の牝馬はホルモンバランスの関係から競走能力が向上するというデータもあります。イギリスでは妊娠120日目までの出走を認めていますが、出産経験のある馬が復帰し、さらに勝利となると異例中の異例と言えるのではないでしょうか。

日本では大井の帝王・的場文男騎手が先日7000勝を達成しましたが、遠い海の向こうでは的場騎手より更に高齢の方が異例の記録を樹立するなど、若者に刺激を与えるニュースが続きます。また、ややもすればフランス=凱旋門賞と考えがちな私達日本の競馬ファンからすれば、フランス競馬に新たな一面とまだまだ越えられない壁を感じさせられますね。