GⅠ馬アルフレードは過去の栄光を取り戻せるか。

記事「GⅠ馬アルフレードは過去の栄光を取り戻せるか。」のサムネイル画像

かつての栄光

今週末に福島で開催される七夕賞(G3・7月12日・芝2000m)に出走するアルフレードは、2歳時に朝日フューチュリティS(G1)を勝っているG1馬である。この時はデビューして3戦目。無傷で挑んだ初のG1レースだった。同レースにはこの頃はまだほぼ無名であったハクサンムーンや重賞馬のクラレントや、今回の七夕賞でも出走するトウケイヘイローなどの若き名馬たちが出走していた。そんな中アルフレードは前走の条件戦を豪快な末脚で勝ち、G1レース当日は1番人気に推された。そしてレースではその期待に応えるかのような鋭い末脚で2着に2馬身差をつけて快勝したのだ。

怪我で1年8ヶ月の休養

キャリア2戦にしてG1を制しその素質が見込まれ、その後もマイルC(2着)や日本ダービー(13着)に出走。しかし朝日フューチュリティSの勝利を最後にその後は立て続けに走ったG1が影響したのか脚の屈腱炎が発覚し、長期の休養を余儀なくされる。成長が期待されるこの時期の怪我は非常に残念なニュースであった。結果この怪我で約1年8ヶ月の休養をすることとなる。昨年'14年の1月にOP戦で復帰するも、復帰後は一向に勝てず。怪我後は明らかに追えていないレースが多かった。OP戦でも掲示板にのることすら危うくなってきていた。昨年は重賞レースはスプリングC(G2・10着)に出走したのみで、その他のOP戦でも凡走している。気付けば5歳になっていた。

復調の兆し

しかし、今年に入ってから少しづつだが復調の兆しが見え始めている。2月に行われた東京新聞杯(G3)では2着に入着し、2年9ヶ月ぶりにこの馬が馬券に絡んだ。さらに5月に行われた新潟大賞典(G3)では、距離を伸ばした2000mの舞台で3着に健闘した。去年1年でレースの間隔を取り戻してきたか。
重賞2戦して今回は今年3度目の重賞挑戦。昨年は1年かけて徐々に状態を良くしていき、6歳となった今年にようやくその成果が出始めたか。調教でも南W重でラスト1F12.0と好時計をマークしており、ここへきて調子が上がってきているようだ。久しぶりの好走続きにかつてこの馬に沸かされたファンも復活の気配を感じて期待感を募らせてきているのではないだろうか?

七夕賞で完全復活なるか

さて、実際にアルフレードが七夕賞でどこまでやれるか考察してみたいと思う。七夕賞は福島芝2000mで開催されるが、このコースはスタートの直線も500mと長く、先行争いでテンが速くなりやすい小回りのコースだ。消耗戦をこなせるスタミナのある先行馬がこのコースに適しているとされているが、正直言ってアルフレードはこれには当てはまらない。先行もできなくはないが、今回メイショウナルトやトウケイヘイローといったハナを主張しにいく馬が2頭もいるし、スタートダッシュが上手いわけでもないのでいつものように後方2~3番手あたりからの競馬となるのではなかろうか。3~4コーナーで内から行って早めに仕掛けてジワジワと伸びていけば見せ場は作れそうだ。4コーナーで内目で5番手以内が馬券圏内の必須条件といったところか。条件的には厳しいレースとなりそうだが、"今のアルフレードなら…"と期待が頭をよぎる。

鞍上は北村宏司騎手で今回初のコンビを組む。北村騎手は福島コースは得意な騎手だし、七夕賞では'02年にロードクロノスで2着、'13年にはトレイルブレイザーで2着を獲っている実績もある。

七夕賞で復活Vが見れれば約3年7ヶ月ぶりという長い低迷期に終止符を打つこととなる。怪我と暗雲低迷の時期を乗り越えた先の感動のVはさぞかし胸を熱くすることだろう。