【アーリントンC2016回顧】朝日杯FSリオンディーズを越えるハイペース制したレインボーライン

記事「【アーリントンC2016回顧】朝日杯FSリオンディーズを越えるハイペース制したレインボーライン」のサムネイル画像© Jimmie

勝ち馬・レインボーラインは、このアーリントンカップ(G3)の勝利で、通算成績を8戦3勝とした。もちろん、初の重賞制覇である。

この日の、レースは、スタート直後に、ミルコ・デムーロ騎手が激しく押して出ていったが、ダッシュがつかずに後方からの競馬となった。前半600メートル・34.4、800メートル・46.7の流れだった。

開幕週と開催が進んだ阪神、そして、2歳戦と3歳戦の違いはあるにせよ、実は、このラップは、リオンディーズが化け物じみた勝ち方をした、昨年の朝日杯FS(G1)より速いタイムだった。

馬場状態が異なって各馬3歳となり急激に成長してくる時期であるため、もう2歳時の成績と比べるのは、いかがなものかと思うが、ひとつの参考として見ると、今回のレースは決して楽なペースではない。

このラップを、道中11番手から進めたレインボーラインは、4コーナーで、ポジションを押し上げると、直線では各馬横いっぱいに広がった猛烈な叩き合いを制して、ゴール板のところではハナ差だけ出ていた。5着までのアーバンキッドの着差が、ハナ・ハナ・クビ・アタマ差である。

更に、出走馬14頭中、13着のメイショウカネサダまでが、1.0秒差に収まっており、おそらく、この日のグループは、10回競馬をしたら10回とも着順が入れ替わりそうなぐらいの力的には拮抗している組だろう。見ているほうは、ゴール前の大接戦は面白い。

レインボーラインは、3歳のこの時期でもう8戦しており、叩き上げのイメージがあるが、実は、ノーザンファーム生まれのエリートである。父がステイゴールドに、母がレーゲンボーゲン、母父がフレンチデピュティという血統。姉に、アニメイトバイオがいる。

お姉さんも、秋華賞トライアルのローズステークス(G2)1着や、阪神JF(G1)2着の成績があるように、阪神コースはめっぽう強かった。レインボーラインもこの日の勝利で、全3勝中2勝が阪神コースでのものとなる。今後も出走メンバーを見渡して、大混戦ムードの時は、要チェックの馬である。

2着・ダンツプリウスも山内厩舎らしい、この日が、9戦目の競馬だった。レインボーラインと同様、これだけの大接戦になると、最後にものをいうのは経験なんだよということを教えてくれたような競馬であった。9番人気であったが、前走では、この日も人気していたアーバンキッドを退けているため、来ても不思議ではない馬の1頭だったことは間違いない。

3着・ロワアブソリューは、この日が3戦目の競馬。前走のきさらぎ賞(G3)では、口をパクパク割っての競馬であり参考外。この日は、少し出負け気味だったが、何とか折り合いが付き、最後は後方から追い込んできた。将来性の高さは、この日のメンバーでは随一だけに次走にも注目。

今年のアーリントンカップ(G3)は現状の競馬の経験値がものをいったレースであったが、4着以下のグループはキャリアも浅く将来性という意味では、非常に楽しみな馬が多いだけに少し気にしておいても損はないだろう。