【競馬】トラックマンの打つ△には要注意

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競馬新聞やスポーツ紙の競馬担当記者は、それぞれ担当の厩舎が割りふられている。当然少しでも良い情報を他社よりも先に独占的に入手したい。その為にまずトラックマンがすることは、懇意にしている厩舎の馬にはとにかく実際の人気に関係なく印を打つことである。

重い印を打つ必要は無く△(2,3着に来る可能性のある馬)などでいいのだが、これで1頭分の印が潰されてしまうことになる。本当はこの馬に印を打ちたいが、厩舎との関係があるから切ってしまう。トラックマンが自身の予想で打つ馬なのだから、切ってしまった馬が馬券に絡む可能性は高い。これはトラックマンとしては非常に頭の痛い問題である。それでも独占的にメイチ勝負の馬も教えてくれるので、持ちつ持たれつの関係というわけだ。

調教師や調教助手は殆どが全ての競馬新聞に目を通す。そこで担当記者がその厩舎の馬を無印にすると、急に口が堅くなってしまう。これには流石の担当記者も「しっかり印を打っておけば良かった、失敗したな・・・」となる。1回や2回ならこれで済むが、常習者だと調教師は雑談には応じるが肝心の馬の話になると口を閉ざすことになってしまう。まるで警察の事情聴取を受けている様な光景である。

社交辞令で印を打たざるを得ないような流れに・・・

但し、調教師にも色々個性がある。「今回はデキが7分、狙いは次だね。気にしないでダンゴを打ってくれ」などと言う調教師も中にはいる。ダンゴとは◎など評価の高い印の事をさしている。このタイプの調教師はトラックマンとしては非常に仕事がしやすく有難い。トラックマンも人間なので、自分が担当する厩舎の馬が勝つと嬉しいものである。当然有力馬を出走させる場合は調教師のボソッと言う一言を忘れてはいけない。この一言がかなり重要なキーワードを握っている事が多い。

担当厩舎の馬はそれでなくても、どうしても贔屓目で見てしまうので若干能力は下とわかっていても重い印を打つことがあるのはこの世界では暗黙の了解である。しかしトラックマンは印とは裏腹に勝負馬券は印通りとは限らない。いきなり人気馬をぶったぎって勝負をするトラックマンだって多い。

厩舎との関係が非常に重要なトラックマンにとって、余程の事がない限り印は最低でも△をつける。俗にいう社交辞令というものだ。考え方一つだが、それで本命馬と一緒に来てくれれば御の字なのである。日頃の厩舎周りが、万馬券を仕留める活力となっているというわけだ。