【日本ダービー2017予想】2冠なるか?混戦から一歩先ん出ているアルアイン

かなり混沌としている今年の牡馬クラシック路線において、1冠目の皐月賞を制したアルアイン。当然、今年の日本ダービーにおいても最も注目を集めるうちの1頭であることは間違いない。

馬場状態の影響を無視することは出来ないが、レースレコードとなった皐月賞の勝ちタイムの1分57秒8は、抜けた馬が居ないと言われる牡馬世代ではあるが、全体としてレベルが高いとも言えるだろう。

アルアイン自体の戦績も、皐月賞含め5戦4勝であり、6着に敗退したシンザン記念も、馬場状態が重であっただけでなく、直線で挟まれた上に前も詰まったという2重の不利があった特殊な状況だった。その意味で、順調なら無敗でここまで来ていた可能性も十分にあった。

このような状況を総合的に見れば、9番人気で穴馬の激走と見るよりはアルアイン自体の能力が皐月賞出走時点で過小評価されていたに過ぎず、日本ダービーでもその過小評価が続くようならばまた多くの人が痛い目を見るハメになるのではないだろうか。ちょうどキタサンブラックが菊花賞を勝利しても一向に一番人気にならなかったように。

血統面では、ディープインパクト産駒は今年4頭が出走を予定しているが、ここ5年でディープブリランテ、キズナ、マカヒキと3頭のダービー馬を送り出し、昨年に至っては上位3頭独占しているという点も強調出来る。

とは言え、不安要素がないわけではない。特に気になるのが、母系がスプリント色が強いという点である。母のドバイマジェスティは、アメリカ競馬の年度表彰であるエクリプス賞において、最優秀短距離牝馬(2010年)に選出される程の名馬ではあるが、成果を挙げたのが短距離路線ということもあり、日本の2400mにどこまで対応出来るか未知数な部分もある。

ただ、姉のゴールドエッセンスは、条件馬とは言え2000m前後で使われて成績を残しており、同世代同士で春先の2400mなら絶対能力だけでこなせないことはない。また、昨年の日本ダービー馬のマカヒキも、母系だけ見ればスプリンター色が強く、そのような面でも日本ダービーでの距離の克服はそう難しいものではないだろう。

また、鞍上の松山弘平騎手の経験値という点も、不安点として見る向きもあるが最近の活躍ぶりを見ればそろそろ若手のレッテルを外して見るべきであり、日本ダービーの歴史上、乗り替わりが良績を残していないことを考えると、むしろ好結果に結び付く可能性も高い。

当然不安点は無くはないが、皐月賞を制したにもかかわらず、それ程極端に人気になることもなさそうであり、少なくともヒモとしては抑えておきたい1頭と言えよう。