【チャンピオンズカップ2016予想】アウォーディーの弟ラニが日本のダート界を席巻する第一歩

展開を握るはずだったタガノトネールの調教中の骨折による予後不良、古豪の維持を見せるはずだったホッコータルマエのケガによる引退。チャンピオンズカップの有力馬だった2頭が本番直前で出走できなくなると言う、残念な結果となってしまいましたが、それでもダート6戦無敗のアウォーディーを中心に、古豪コパノリッキーを初め、今年のフェブラリーステークスの覇者モーニン、昨年のチャンピオンズカップの2着ノンコノユメ、3着のサウンドトゥルー、3歳馬ながら武蔵野ステークス1番人気2着のゴールドドリーム、アメリカで行われたブリーダーズカップに果敢に挑戦したアウォーディーの弟ラニなどなかなかいいメンバーが揃いました。

そんな中で一番注目しているのがラニです。アウォーディーの弟ということに加え、お父さんがジャングルポケットからタピットになったことでよりダートで走りそうな血統背景ということもあってでしょうが、2歳時よりより高いレベルのダート路線に果敢にチャレンジし、春のドバイで行われたUAダービーで勝利し、アメリカのダートGⅠ戦線のケンタッキーダービーで9着、ブリネークスで5着、ベルモントステークスでは3着にも好走してきました。

ところが、秋になり休み明けでブラジルカップに出走し3着後、前走重賞みやこステークスで14着と凱旋帰国後は案外な結果に終わっています。レースでは、最内枠で出負けした後、それなりの上りをマークしていましたが、展開もやる気も向いてなかったのでしょう。

なんと言ってもラニは、ダートのレベルが高いと言われるアメリカのGⅠ戦線であれだけの好成績を収めた馬です。こんな馬ではありません。むしろ、GⅠなどレベルの高いレースでこそその力を発揮できるのではないかと思うのです。そういう意味でもダート界の勇が集まるチャンピオンズカップは、この馬にとって力を発揮できる舞台なのかもしれません。

前走の大敗で人気も落ちてくるでしょうが、素質的には古馬ダートGⅠ出走馬達にも引けは取らない馬ですから、人気が落ちるなら狙い目と言ってもいいでしょう。

お兄さんであるアウォーディーは、ダートを6戦して6勝、しかも前走はJBCクラシックも制し、もはやダートに敵なし感さえあります。でも弟ラニとの勝負はまだです。アウォーディーの連勝をストップするのは、弟ラニなのかもしれません。

もしここでアウォーディーを負かすようなことがあれば、ラニは今後のダート界を背負って立つ存在になってくるでしょう。今回のチャンピオンズカップは、ラニが日本のダート界を席巻する第一歩になる可能性は、十分にあるでしょう。