【フラワーカップ2016回顧】中山適性からオークスに繋がる馬が見えたレース

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変則の3日間開催の最終日の中山では3歳牝馬による中距離重賞・フラワーカップ(G3) が行われた。フラワーカップの勝ちタイムは1:49.3。序盤のラップが前半800メートル・49.3、1000メートル・61.5の中で出した時計である。

前日の日曜日に開催された、同じ中山の1800に皐月賞トライアル・スプリングステークスがあった。スプリングステークスの前半800メートル通過は48.3、1000メートル・60.3という流れであり、勝ったマウントロブソンのタイムは1:48.1。これから皐月賞(G1)を目指す有力の3歳牡馬陣が出走したレースとの比較であるから、時計が遅くなるのは致し方なし。

道中のペースも全体時計も特に驚くほどのものではないが、この時期の3歳牝馬の時計としてはひとまずOKである。このフラワーカップは年によっては1:50秒台になる時もある。

1着・エンジェルフェイスは道中61秒台に落として逃げられたことでペースが向いた。綺麗な好スタートを決めたのも勝因のひとつ。道中の折り合いも問題なく、中山の最後の急坂もこなしての勝利。これで4戦2勝の成績となった。

デビュー戦は4番人気3着、2戦目の未勝利戦は1番人気2着と素質があるところは見せてはいたが勝ち切れず、3戦目に初めて逃げる競馬を試しての勝利であり、今回も逃げ切り勝ち。デビューから一貫して、芝1800メートルの中距離戦に出走しているあたり、目標はおそらくひとつだろう。東京2400メートルのオークス(G1)でも楽しめそうな馬が出てきた。

阪神の開幕週で速い時計が出るとはいえ1:47.0という持ちタイムもある。後は厳しいペースになった時の競馬ぶりを見てみたい。

姉に、レディーアルバローザとキャトルフィーユがいる血統であり、レディーアルバローザは、中山1800メートルの中山牝馬ステークス(G3)を2勝もしている。キャトルフィーユもコースこそ違うが、同じ距離1800メートルの札幌・クイーンステークス(G3)を勝ち、中山牝馬ステークスでは2着がある。本質的には直線が短い中距離競馬は得意な一族なのかもしれない。

鞍上の福永祐一騎手は前日の阪神大賞典(G2)に続いての2日連続の重賞制覇。怪我から復帰してようやく存在感を示すことができた。人馬ともに次も注目。

2着・ゲッカコウはこの日の道中は7番手から。過去のレースで見せていた3コーナー先頭まくり戦法をこの日は封印しての競馬であり直線は内から伸びてきた。

2着のゲッカコウから5着のエテルナミノルまでがタイム差なしの大接戦であり、この2着争いを制したゲッカコウは牝馬らしからぬ勝負根性を発揮した。G1クラスでは少し厳しいようにみえるタイプだが、こういう馬は力差があまりないメンバーとの競馬になった時に台頭してくる場合もあり、今後も牝馬限定戦であれば注意が必要かもしれない。

3着・ウインクルサルーテは単勝96.6倍の14番人気での3着激走。道中は折り合いもついてゲッカコウより少し後ろのポジションを選択。直線では坂を上がってから最も伸びていた馬の1頭であった。

この馬、レース間隔が3ヶ月以上開くと1秒以上も差を付けられる大敗を喫しており、逆に間隔を詰めて走ると、負けてもコンマ5秒差や京都2歳ステークス(G3)コンマ4秒差などの接戦を演じているあたり叩き良化型タイプなのかもしれない。

この日も前走の2月の水仙賞(3歳500万 芝2200)1.3差の大敗からの3着激走ということで間隔を詰めて使ってきた場合のウインクルサルーテにも今後は注意してみたい。

3番人気8着のルフォールはこの日が3戦目の競馬であり前走もクイーンカップ(G3)3番人気8着。クイーンカップも1.4差の負けということでキャリアも浅いし、自己条件からの立て直しに期待してみたい。

4番人気4着のギモーヴは、わずかに立ち遅れのスタートであったがスッと前目のポジションに取りつくと折り合いも全く問題なし。直線も最後まで伸びており現状の力は出しきっている。この馬もオークストライアルなどに出走してきたら注目だ。

求められる適性能力が正反対のため、すぐにオークス候補と呼ぶには難しい一戦だが中山の中距離が合いそうな馬が上位を占めた今年のフラワーカップであった。