横山典弘騎手と絶縁した美浦の御大藤沢和雄調教師。

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藤沢厩舎の勝負がかかった時の主戦騎手は、とある事件が起こるまでは横山典弘騎手だった。実際に横山典弘騎手は藤沢厩舎の勝負ジョッキーで、あの伝説の名マイラー・タイキシャトルの初G1制覇を成し遂げた時の鞍上にも横山典弘騎手がいた。スワンSとマイルCSの2回だけ、主戦の岡部騎手ではなく、横山典弘騎手が手綱を取り、共に勝利を収めている。

横山典弘騎手は、非常に勝負強いジョッキー。我慢が効くジョッキーだ。結構やんちゃな感じはするが実際は意外と闘志を表に出さずポーカーフェイスで騎乗する。流石に会心の騎乗の後は笑顔がこぼれる。ジョッキーなので馬の力を最大限発揮させるのが一番重要な仕事。そして1つでも上の着順を目指す。これはどの騎手も同じ。

そんな横山典弘騎手も、岡部騎手が引退すると、更に藤沢厩舎からの勝負レースの騎乗依頼が舞い込んでくる。藤沢厩舎は常に良い馬が揃っており、他の騎手からみれば、少しはおすそ分けしてくれないものかと思ってしまうものだが、そこは実力勝負の世界。騎乗技術が高ければ自然と騎乗依頼は舞い込んでくる。そして事件は起こった。

コディーノ事件である。コディーノのレース結果に納得のいかない藤沢調教師と万全を尽くした横山典弘騎手。馬主であるサンデーレーシングももう少し何とかなったのではないか?完全に四面楚歌である。

それでも藤沢調教師は、横山典弘騎手を擁護した。しかし、サンデーレーシング側の返事は良くない。そこには鞍上交代を意味するものがあった。横山典弘騎手は藤沢調教師に対して『リーディングトレーナーも大した事ないなあ』と言い放ってしまった。これで完全に絶縁状態になった。今もなお和解していない。非常にしこりを残した状態。

1頭の馬で騎手は大きく変わる。良くなる事もあれば悪い事もある。ここが非常に重要な事である。基本的に騎乗した騎手に最終的には責任があると私は思う。不可抗力の事案を除いて。今回は横山典弘騎手が残念ながら悪いと言う事になる。