【函館2歳S2016予想】2歳短距離重賞の狙い方は?!モンドキャンノとロイヤルメジャー、買うべき馬はどっちだ?!

地方馬2頭を除いて登録した全16頭の中で、実に12頭が新馬勝ちした馬が揃った函館2歳S。例年、函館2歳Sと小倉2歳S、新潟2歳Sは特にデビュー勝ちした底を見せていない馬が揃うため、難解なレースと言える。また、特に同レースは門別の地方組や北海道デビュー外の馬も参戦する為、北海道シリーズへの適性を見分ける苦労も非常に大きい。したがって、今回は特に前者2レースに該当する函館2歳Sと小倉2歳Sの狙い方について、モンドキャンノとロイヤルメジャーを例に解説していきたいと考えている。また、最後には非常に難しい判断が強いられる他の狙い馬や人気馬、北海道シリーズ未経験馬の取捨選択についても取り上げたい。ぜひ、読者の方には該当する馬だけでなく、買える理由を理解した上で前日予想の参考にして頂ければと思う。

まず、2歳戦・1200m戦のデビュー馬で勝利する典型的なパターンとしては、スピードの違いでハナを切りそのまま逃げ切るレースである。今回の登録馬で該当するのは、人気が予想されるロイヤルメジャーを含めて地方馬を除く全5頭である。もちろん、逃げ切りで勝つ競馬は悪いとは言えないが、次走の昇級戦を考えると良い勝ち方とは言えない。なぜならば、実際にレースで先手を取れる馬は1頭であって、今回のレースでハナを切るのはこの5頭の中でたった1頭であるからである。また、他の馬が逃げる可能性も0ではない為、気性面が不安定で競馬慣れしていない2歳馬にとって、多頭数の重賞において揉まれる競馬を経験していない点は相当ハンデと言えるだろう。

また、2歳戦のスピードで勝つ馬が揃う短距離戦はペースが早くなりやすい傾向にある。もちろん、早い流れで押し切れる力があれば問題ないが、3F33秒後半〜34秒前半で流れた場合、前の馬には厳しい競馬となる。ただでさえ慣れない先行策や揉まれるレース運びが強いられる馬が出てくるにも関わらず、前が崩れる展開となれば、想像以上のハンデを背負う事になるだろう。したがって、デビュー戦で逃げた馬を過剰に評価することは、2歳短距離重賞において危険であると言える。

では、どのような馬を狙えば良いかと言えば、デビュー戦は先行〜差しの競馬で馬群に揉まれた馬や外から被せられる経験をした馬がベストである。また、一度乗ってクセを知るデビュー戦と同じジョッキーが理想的で、テン乗りはマイナス要素と言えるに違いない。そして、北海道シリーズ組デビュー馬で上記に該当するのは、①モンドキャンノと②レヴァンテライオンであって、この2頭に関しては信頼度が高い。また、先ほど取り上げた危険な馬として挙げられるのは、人気馬であれば①ロイヤルメジャーで、デビュー戦は2キロ減での逃げ切り。今回もハナを切れそうではあるが、よほど馬場状態に恵まれない限りは差される可能性が高いであろう。

そして、他に注目したい馬はデビュー戦で好位から競馬をした①バリンジャー②メローブリーズ③ラーナアズーラである。特に、①バリンジャーに関しては要注意の1頭で、北海道デビュー外の馬で比較が難しいため、人気を落とす傾向にある。ただ、この時期にわざわざ北海道へと長時間の輸送をし、遠征する意気込みを考えれば、陣営も自信を持っているはずである。北海道シリーズへの適性は決して悪くないと言えるだろう。また、先週の函館記念で波乱を演出した浜中騎手騎乗も心強い要素で、前走の楽な勝ちっぷりを見ても楽しみな1頭と言える。そして、②メローブリーズと③ラーナアズーラに関しても初戦の勝ち方が優秀であった。どちらも底を見せるデビュー勝ちとは見えなかったので、必ず相手の1頭として取り上げたいと考えている。

以上、2歳短距離重賞の狙い方を中心に、中央勢を例に挙げて順に追って解説した。また、上記で取り上げなかった門別組2頭の評価であるが、今年はどちらも厳しそうで、狙うとすればバンドオンザランも険しい戦いが予想される。やはり、今年の中心はモンドキャンノとなりそうで、上記でピックアップしたレヴァンテライオンやバリンジャー、メローブリーズ、ラーナアズーラなどを中心として馬券を組み立てたいと考えている。一方で、初戦ハナを切ったロイヤルメジャーなどは評価を下げる予定である。小倉2歳Sも含めて2歳戦の1200m重賞は、スピードが勝った馬を過剰に評価しない。これこそが難解な2歳戦の重賞を的中する唯一のポイントなのである。