種牡馬輸入は資金力がものを言うのか?

鳴り物入りで日本でスタッドインしたハービンジャーやワークフォース。キングマンボ、サンデーサイレンスの血に新たな活力を、ということで社台・ノーザンファームが期待して良血の繁殖牝馬をそろえましたが、期待にそえたといえるほどの産駒は現状では正直皆無といえます。

古馬になっての成長力はまだ未知数な面もありますが、クラシックで印がつく、人気になる産駒はまだ現れていません。かといってダートで大成している馬もまだおらず、種付け料を考えると割りに合わないのかな、と思ってしまいます。

そんな欧州からの輸入に方向転換があったのかと思えるのが今年2歳馬がデビューの新種牡馬タートルボウルです。クラシックディスタンスを得意としていた大物の輸入が続いていた中、マイラーだった馬を輸入。丸っこい、という評価がPOG雑誌では見受けられますが、おおむね高評価な印象があります。もちろんハズレの可能性もあるわけですが、こういう挑戦ができるというのもやはり資金力がものをいうわけです。

ビッグレッドファームの岡田さんもロージズインメイ、そして今年はアイルハブアナザーが産駒デビューになるなど、なんとか悲願のダービー制覇をと勝負をしているわけですが、過去には日高では超高額で輸入したラムタラが期待にそえるほどの産駒を出せなかっただけに、資金力に限界がある牧場では簡単に「ああこれはだめか、じゃああっちにしよう」といった違った角度から種牡馬を輸入する、種付けするというのが難しい。

そういった意味では資金力がある牧場が生き残るのは仕方ない面もあるのかもしれません。昨年はトウショウ牧場の閉鎖など悲しいニュースがありました。小さな牧場には試練が続きますが、キタサンブラックやゴールドアクター、モーリスのような一筋の光明といえる馬が小さな牧場から出てくることもあります。

競馬はやはりいろんな血統・牧場から活躍する馬が出てきたほうが面白いです。ネットには「3歳クラシックは社台・ノーザンファーム生産馬の運動会」という書き込みもあり、あながち否定しきれない面も最近はあります。また、素人のみならず藤田伸二元騎手も大手馬主の運動会という発言をテレビでされています。結果的に今年の1,2着馬でいえば桜花賞・オークス・ダービーがそうなってしまったわけですが、2歳馬のデビューもいよいよです。来年のオークス、ダービーこそ社台・ノーザンファームの一角を崩す産駒が現れることを期待して2歳馬を見ていきたいものです。