【菊花賞2016予想】上がり馬2頭が波乱をもたらす?!

菊花賞のシーズンになると散見されるフレーズに「第二のアカネテンリュウを探せ」というものがあります。つまりは、上がり馬を探すということなのですが、春の勢力図のまま決まってしまう事が多いのも菊花賞です。特に今年の3歳馬は高レベルだと言われながらも、春の皐月賞からダービーでは上位陣の入れ替えはなく強豪の牙城は崩れにくそう。

ですが、ダービー馬不在の年は、クラシック不出走の馬が勝つという傾向もある菊花賞。ここは以下の上がり馬2頭に注目してみたいと思います。

夏の上がり馬ミッキーロケット、2強に待ったをかけるか!?

前哨戦の神戸新聞杯での好走で人気を集めそうなのがミッキーロケットです。この馬はとにかく堅実であるところが売り。全10戦の成績を見ると【3-5-0-2】と、連対率80%の驚異的数字を出しています。連対を逃したレースは春先の重賞レース2つですが、スプリングSでは5着に入り掲示板はキープし、地力のあるところは示しました。

レースは中団から待機するような傾向があり、どちらかと言えば有力馬をマークしながら、ある程度自分の脚をしっかりと使えるような馬です。神戸新聞杯でもサトノダイヤモンドをマークするような展開で進み、馬群の中にいたわりにはロスが少なく走れたおかげか、一時は前に出るくらいの脚も使っていたのですが、競り負けて2着となりました。和田騎手の騎乗も文句なしでした。

問題点としてはやや臨戦過程が厳しい所でしょう。夏の上がり馬であるミッキーロケットはクラシックを経由し、夏をしっかり休養にあててきた馬と比べるとすでに10戦を使用。上積みをみせられるか、余力なしで果ててしまうかといったところ。

また、やはり菊花賞において気になるのはその距離適性。2000m主体に使われてきていましたが、2400mまでもある程度行けることがわかっている点から、菊花賞でも良い勝負ができるのではないでしょうか。

2歳から期待された逸材ウムブルフ、ここで覚醒成るか?

ウムブルフはオルフェーヴルなどを輩出した名門牧場・白老ファームの出身で、その後に入厩した先も名馬を数多く育てる名門・堀厩舎。2歳時から期待と注目を集め、新馬戦では1番人気に推されての出走となりましたが敗退、勝ち上がりは三戦目となりました。続く京成杯(G3)でも1勝馬ながらに1番人気でしたが5着敗退。その後の500万下条件戦にも負け、クラシック路線で戦うのは難しいと思われていたところへ、抽選の壁を突破し皐月賞へ出走。結果は10着となりましたが、この経験である程度変わってきたところもあります。

その後は2400m以上のレースに絞って出走しており、現在2連勝中。菊花賞出走へ向けた最重要課題である本賞金加算を達成し、菊花賞への距離適性も同時に示しました。ウムブルフは前走では自分からまくりに行くレースを展開し、そのまま押し切り2着に5馬身をつける圧勝をし、実力がついてきたことを実感させる内容でした。

ディープインパクト産駒は長距離レースが得意ではないとされており、実際に菊花賞勝馬はまだ輩出していませんが、自身は三冠馬として当然菊花賞にも勝っており、昨年菊花賞馬のキタサンブラックの父ブラックタイドはディープインパクトの全兄。血統的な不安を完全に払拭させたわけではありませんが、あり得ない結末ではなくなってきたと言えるでしょう。

以上、上がり馬に焦点をあて、ミッキーロケット、ウムブルフをご紹介いたしました。この他にもシュペルミエールやジュンヴァルカンと言った上がり馬の登録もあります。順当決着と成るか、荒れる菊花賞となるか。今年のクラシックも大詰めを迎え、残り6日で全て決着します。