サウジアラビアRCを制したブレイブスマッシュの華麗な経歴

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先日開催されたサウジアラビアロイヤルカップにて優勝したブレイブスマッシュが、恥ずかしながらそこまで注目はしていなかったのですが、優勝してみて改めて遍歴を調べてみたところ、これが実に素晴らしいもので、勝つべくして勝った馬であり、今後の同世代でも十分主役級として活躍していける、今回の勝利はフロックなどではないのだということを確信いたしました。

まず今回開催されたサウジアラビアRCのおさらい。新設重賞の扱いですが、前身はオープン戦のいちょうステークスです。なので歴史のある新設重賞というちょっと矛盾を含んだレースですが、その背景があるからこそ出走馬が非常に豪華なものとなっていました。

一番人気イモータルの母ショアーは半弟にドイツダービー馬シロッコのいる良血、それに負けない新馬戦での活躍ぶりで一躍高評価を得ることに。二番人気アストラエンブレムは2008年秋華賞馬ブラックエンブレムの仔でこちらも良血。新馬戦負けこそしましたが、勝ち馬のロスカボスはその後OPの野路菊Sで見事優勝し、アストラエンブレム自身も次走の未勝利戦で切れのある末脚をみせ見事勝利。

今期期待の2歳馬が集まったレースで4番人気に推されたブレイブスマッシュとは一体どんな馬なのか?まずは血統から見ていきますと、父トーセンファントムは昨年種牡馬としてデビューしたばかりで、デビュー年度一年間での出走頭数はたったの9頭で勝利数はゼロという零細種牡馬。ちなみに前身のいちょうSを優勝しているため親子V。そして母トーセンスマッシュの父はトウカイテイオー。誰もが知る名馬とは思いますが、血脈としてはかなり細々としたものとなってしまいました。サイアーラインとしての存続は難しいかもしれませんが、ブレイブスマッシュの活躍次第で名を残すことができるかと思うと喜ばしいものです。

さて、このブレイブスマッシュの戦歴なのですが、デビュー後3戦続けての2着、4戦目にしてようやく未勝利戦を勝利という、決して悪くはないものの目を引くほどの成果をあげているというほどではありませんでした。ところが、その敗戦3つを見ると勝馬3頭の名前がロードクエスト、デアリングエッジ、そして今回も出走したアストラエンブレムです。

ロードクエストは現段階で言えばダービー最右翼候補の1頭であり夏の間に既に新潟2歳Sを勝利。先に上げたイモータル、アストラエンブレムよりも話題度では上なのではないでしょうか。残念ながらデアリングエッジは500万下の条件戦で8着と凡走をしてしまいましたが、黒星をつけた相手が大物揃い、かつ最低でも2着はキープしてくれる安定感、そして今回はアストラエンブレムを下す成長性。

様々な角度から見ても、今後のブレイブスマッシュの活躍に期待せざるをえないデータがしっかりと整ってきています。そして、父トーセンファントムの数少ない産駒のうちもう1頭ハレルヤボーイもサウジアラビアRCへと出走していました。残念ながら5着ですが、無事賞金はゲットといったところでしょうか。

めったに見ることのない父名ではありますが、同時に2頭も活躍してもらったなら、今後注目を集めてもおかしくはありません。ブレイブスマッシュと併せてハレルヤボーイ、種牡馬トーセンファントムの名前をぜひ覚えておいてください。