ブラッドスポーツと呼ばれる本当の意味は?

日本屈指のオーナーブリーダーであり、トウショウボーイを筆頭に、桜花賞馬のシスタートウショウ、GI・3勝を挙げたスイープトウショウなど数多の活躍馬を輩出した名門トウショウ牧場。生産地不況の影響もあり、2016年に惜しまれつつ牧場閉鎖となりましたが、オーナーとしては2016年生まれの当歳馬がキャリアを引退するまでは続く予定です。あと少しだけですが、お馴染みの「海老、黄ダイヤモンド、紫袖」の勝負服を見ることができることが、ファンにとっては唯一の救いでしょう。

1月30日(土)の東京10レース、クロッカスSを快勝したトウショウドラフタ。撤退が決まってから活躍馬が出てしまうあたりが、何とも皮肉な話ですが、競馬の世界では往々としてあること。しかし、トウショウ産業名義の馬がオープン競走を勝ったことを久々に感じ、少し調べてみると、撤退もやむなしと思える結果が出てきました。

芝のレースでは2009年2月14日のバレンタインS(東京芝1400)を勝ったトウショウカレッジが最後のオープン勝ちで、最近の活躍馬は軒並みダート馬ばかり。とはいえ、そのダートでも最後のオープン勝ちは、2013年7月27日のBSN賞(新潟ダート1800)を勝ったトウショウフリークなので2年半も前の話になります。年度別の成績を見ても、常に芝・ダートを合わせて10勝以上の勝ち星があったにもかかわらず、近2年はともに7勝止まりと急落が見て取れます。

名門の撤退といえばトウショウ牧場だけではなく、最近ではメジロ牧場も記憶に新しいですが、どちらともに共通して言えることは、「牝系に固執しすぎた」ということでしょう。時代の流れを読めなかったと言えば、それだけのことかもしれないが、競馬は血のロマンと呼ばれるブラッドスポーツ。ディープインパクト産駒ばかりの今の競馬が本当に面白いのか。個人的にはやっぱり物足りないと感じてしまいます。