【宝塚記念2016予想】ダービー馬ドゥラメンテの決定的な弱点、これを知ればあなたもドゥラメンテ・マスター!

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ファン投票によって上位10頭に優先出走権が与えられる宝塚記念。1位は北島三郎オーナー効果もあると言えども82121票を集めたキタサンブラックで、総勢1015162票のトップに選ばれた。また、上位にはダービー馬のドゥラメンテや昨年の覇者ラブリーデイ、エリザベス女王杯を勝利したマリアライトなどが選ばれ、昨年以上の好メンバーが期待できるだろう。そして、2.3.4.5.6月と続いたG1もこれにてラストで、上半期を締めくくる大一番。久しぶりにフルゲート18頭が揃いそうで、大いに楽しみな一戦となりそうだ。そこで、今回は題名にも記載したように、馬券では1番人気が予想されているダービー馬・ドゥラメンテについて、この馬の長所と弱点をそれぞれ解説していきたいと思う。また、最後にはドゥラメンテの取捨選択についても触れていきたいので、ぜひ予想の参考にして頂きたい。

まず、ドゥラメンテの強みは今さら言うまでもないが、以下の3点挙げられるだろう。①8戦5勝2着3回の安定感。②休み明け・海外でも力を出し切る精神力。③直線の長さ関係なく一定の脚を使える俊敏性の3つである。①の安定感に関することであるが、中山競馬場で行われる皐月賞と東京競馬場で行われる日本ダービー。それぞれ違った性質が求められる舞台であるが、ほとんど似たような同世代のメンバー相手にどちらのレースも他馬を全く寄せ付けない形で2連勝を達成した点は、過去の名馬と比べても肩を並べる存在と言っても過言ではなく、恐ろしいとしか言いようがない。また、これは②にも通ずる点であるが、骨折明けの長期休み明けで古馬初対戦の中山記念では早め抜け出しから勝利、初の海外遠征のドバイシーマクラシックでも強力な海外勢相手に2着と立派な成績を残しており、どのような舞台でも力を出し切る強心臓を兼ね備えているタイプである。ゆえに、今回のような海外帰りのハンデがあっても跳ね返す精神力はあるはずだ。そして、最後の③一定の脚を使える俊敏性であるが、中山競馬場は直線が短い為、コーナーからの加速が必要である。一方で、東京競馬場は直線が長い為、どちらかと言えばコーナーよりも直線で長く切れる脚が求められる。すなわち、その2つのコースを難なくこなし、直線の短い阪神内回りコースにも対応できる下地がある点は、ドゥラメンテの宝塚記念制覇に向けて大きなポイントと言えるだろう。

ドゥラメンテの決定的な弱点とは?!宝塚記念への影響は如何に!

さて、ようやく本題に入るが、ここからはドゥラメンテの弱点について取り上げたい。ただ、これはあくまでも筆者の考えなので、馬券推敲の参考程度として頂きたい。ドゥラメンテの弱点はズバリ「極端なスローの上がり勝負が得意ではない」である。もちろん、33秒台の上がりを使える馬で、並の瞬発力があるのは確かである。しかし、よく過去の戦績を見て頂ければ分かるが、ドゥラメンテVSリアルスティールの対戦は計4回行われている。そして、その中でドゥラメンテが3勝・リアルスティールが1勝である。ちなみに、ドゥラメンテがリアルスティールを圧倒的に突き放したのは外に大きく膨れた皐月賞と早め抜け出しから2着以降を寄せ付けなかったダービーで、逆にやや追い詰められてしまったor敗れたのが中山記念と共同通信杯である。

そこで、皐月賞と日本ダービーの決定的な共通点を挙げると、両者ともにペースが早かった事である。前者と後者ともに1000m通過が59.2秒と58.8秒で、当日の馬場状態を考慮するとミドルペース。一方で、共同通信杯と中山記念はどちらもスローペースで、他に敗れた新馬戦や海外競馬のドバイシーマクラシックもペースは緩く、上がり勝負のレースであった。もちろん、中山記念は骨折明けと斤量57キロのハンデもあったのも事実であるが、リアルスティールは休み明けと内にモタれた不利、アンビシャスも休み明けで後方から大外ぶん回しと力を出し切ったとは言い難いレース内容であった。となれば、皐月賞とダービーで突き放したリアルスティールに共同通信杯でアッサリ敗れた点も納得がつくだろう。ゆえに、ドゥラメンテはスローペースが中心の海外競馬はもちろんの事、極端な直線上がり勝負になりやすい古馬の2200m以上における競馬は向いていないのである。

そして、ここで今回のメンバーに目を向けてみよう。逃げ馬と言えばキタサンブラックのみで、宝塚記念が行われる阪神内回り2200mのコース形態や今の馬場状態を考慮しても、極端に雨が降らない限りはペースが上がる可能性は低い。もし、ミドルペース以上であればドゥラメンテの圧勝劇も十二分にありうるだろう。しかし、キタサンブラック騎乗の武豊騎手が緩い流れに落とせば、さすがのドゥラメンテでも上記に書いた理由により、取りこぼす可能性が非常に高くなる。そうなれば、前目からの競馬をする昨年の覇者ラブリーデイや昨年4着のトーホウジャッカル、逃げるキタサンブラック、エリザベス女王杯覇者のマリアライトに足元をすくわれ、2.3着の可能性があるだろう。そして、特に周りに囲まれてしまい、勝負所から動けなくなる確率の上がる6〜10番の枠順を引いた場合は評価を下げたいと考えている。以上をまとめると、スローペースと真ん中辺りの枠、これが揃った時こそドゥラメンテが敗れる条件である。ゆえに、ぜひ読者の方には展開面だけでなく枠順にも注目し、当日の馬場状態を含めて各自判断して頂きたい。