【有馬記念2015】ゴールドシップの騎手は"あの騎手"に・・・?

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風が冷たく肌寒い季節になってきた今日この頃。2015年も残すところあと一ヶ月となり年末が近づいてきた。競馬界のみならず日本の年末の風物詩として社会的な認知を得る有馬記念の開催も楽しみである。

今年の天皇賞・春を制し、現役最多となるGI6勝目をマークしたゴールドシップ(牡6、栗東・須貝)は、今年の有馬記念を最後に引退することが決まっている。これまで何度もファンの期待を背負い伝説を作ってきた馬であり、超個性派の引退に一抹の寂しさは否めない。そんな超個性派であるゴールドシップのラストランの手綱を握る騎手は誰だろうか?残念ながら現時点では未定となっているため不明である。今回は誰もが気になるゴールドシップ最期の鞍上について憶測を交えながら考えてみたいと思う。

かつての名コンビ復活復活か?

引退まで残すところ後2戦となったが、そのうちの1戦のジャパンカップでは横山騎手が手綱を握ることになっている。しかし、有馬記念で引き続き乗る予定にはなっていない。まずはこれまでゴールドシップに騎乗してきた騎手のデータを見てみよう。

過去にゴールドシップに騎乗した騎手データ

  • 内田博幸【7-0-0-4】
  • 横山典弘【2-1-0-2】
  • 岩田康誠【2-0-1-1】
  • 秋山真一郎【2-0-0-0】
  • 安藤勝己【0-2-0-0】
  • C.ウィリアムズ【0-0-0-1】
  • R.ムーア【0-0-0-1】

近年は横山騎手や岩田騎手による騎乗が目立つが、一番騎乗数も多く勝利数も多いのは内田騎手である。豪腕ジョッキーで知られるウチパクこと内田騎手と、ズブいタイプのゴールドシップは相性抜群であった。2歳時に乗ったことのある元名手のアンカツこと安藤勝己に「あの馬はウッチーでないと動かせんよ」とまで言わせたほど周りに認められるコンビであった。

しかし、内田騎手とゴールドシップとのコンビは2013年のジャパンカップ(15着)以来途絶えている。後の有馬記念では外国人騎手のR.ムーア騎手に乗り替わりとなっており、内田騎手はゴールドシップを降板させられてしまった。

この降板事件の真相を語る上で欠かせないのが2013年のジャパンカップと、その前哨戦である京都大賞典である。京都大賞典で内田騎手は出足の鈍いゴールドシップをスタート序盤から前へ出していき、好位追走を選択した。しかし、苦手な高速馬場ということもあって最期の直線では伸び切れずに5着に敗れてしまった。この騎乗に不満を持った調教師の須貝師はレース後に激高し、さらに後のジャパンカップで15着に敗れた内田騎手に対し「レース後も息ひとつ乱れていなかった。力を出し切れていない。内田君には一度、外から見てもらいたい。」とコメントし、後の有馬記念では乗り替わりとなった。

昨年は落馬で左腕を骨折してしばらく戦列を離れていたこともあり、重賞勝利数は1勝のみでリーディングも20位前後を低迷していた時期もあった。かつての内田騎手からは信じられない成績となっており、引退の2文字がちらつくこともあった。

しかし今年は重賞を3勝、勝利数もすでに昨年を越えており、リーディングを12位前後まで上げて少しづつ復調してきている。ゴールドシップの騎乗回数は過去最多の11回騎乗、うちG1を4勝、敗北も勝利もこの馬で経験してきた内田騎手こそゴールドシップの背中をもっとも知る男と言っても過言ではない。有馬記念でかつての名コンビが復活しラストランを有終の美で飾ることができれば、さぞかしドラマティックなレースになるのではなかろうか。いずれにせよ、このレースにかける期待が大きいだけに、手綱を握る騎手にも大いに期待がかかるところである。