規制薬物が検出された問題で、山内研二調教師に過怠金30万円

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2016年12月29日(木)に、大井競馬場で開催された第62回東京大賞典に出走したアポロケンタッキー(牡5、栗東・山内研二厩舎)から、規制薬物である消炎鎮痛剤「デキサメタゾン」が検出され、JRAにより裁定委員会が開催された。

裁定委員会は、この件に関して同馬を管理する山内研二調教師に対し、過怠金30万円を課すことを決定した。

後味の悪さが残った年末のG1、まだまだ課題は山積み

前走のチャンピオンズカップの疲れを取るために薬を使用されたと思われるが、今回このような事態になったのはアポロケンタッキーの疲れがギリギリまであったため、薬が抜けきっていないうちに出走となってしまい、その結果レース後に反応が出てしまった、というのが考えられる事の経緯である。

ドーピング行為と言えるほど影響を与えるものなのかどうかや、意図的な使用であったかどうかは不明であるが、この一件で栄えあるG1馬となったアポロケンタッキーに過怠金が課されてしまったのは事実。30万円という金額は1着賞金の8,000万円に比べたら微々たる額かもしれないが、厩舎や馬の後味の悪い印象というのははなかなか拭えないだろう。陣営としては金額以上に堪えるものがあるはずだ。

意図的に使い、過怠金が課されるのも見越して優勝したというのなら成功だったのかもしれないが、そこまでのリスクを負える効果が薬に見込めたとも考えにくい。それなら、もともとアポロケンタッキーには勝てる能力があり、多少無理をしてでも出走させたかった、薬の反応が出ても勝ってくれればいい、といったような意図の方がしっくりくる。

いずれにせよ今回の騒動で他厩舎も規制薬物に関しては慎重にならざるをえないだろう。この規制薬物の薬事態が悪いものというわけではないので、「レース直前に使用しなければならない状態なら回避するべき」というような意味合いを込めての処分、というのが妥当な見解と思う。

今回の制裁といい、斜行の制裁といい、まだまだ競馬業界には解決しなければならない課題が山積みである。