関東出身のマイラー2頭が来期に備えスタッドイン

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JRAにおけるサラブレッドの競走生活では関東馬、関西馬というカテゴリーがあるものの、種牡馬になればその隔たりはなくなり、かわりに内国産馬として輸入種牡馬などとはわけてカテゴライズされるようになります。書類的に東西の別はなくなるものの、国内で走っていたころの記録がなくなるわけではないため、どの厩舎から巣立っていったかという意味では出身地による区分がまったくなくなるとは言い切れません。

日本競馬と言えば輸入種牡馬に支えられてきた歴史がありますが、サンデーサイレンス亡き後と言えばディープインパクト、キングカメハメハの2大種牡馬の台頭、そしてアーモンドアイ輩出で今後にさらなる期待がかかるロードカナロア、さらには産駒の成績にはムラがあるものの、ラッキーライラック、エポカドーロのG1馬2頭を輩出しているオルフェーブルなど、現代は関西出身の種牡馬が長く結果を残してきているようです。

そんな中、逆風にさらされる関東からマイル系競走馬2頭が種牡馬入りしたため注目しておきたいと思います。

まずはディープインパクト産駒で今年の関屋記念を10ヶ月ぶりの出走ながら1分32秒1という好タイムで勝利したミッキーグローリーです。美浦・国枝厩舎の管理馬で、休養を多く挟みながら大事に使ってきましたが、残念ながら前走後に屈腱炎を発症し引退となりました。現在は新ひだか町のレックススタッドに入り来年以降の種付けに備えています。

そしてもう1頭が、日本では珍しいスニッツェルの産駒・ヤングマンパワーです。こちらは早くから活躍し、3歳時にはアーリントンカップ、古馬になってからは関屋記念、富士Sを勝利しました。G1勝利こそないG3を3勝という戦績ではありますが、新冠町の白馬牧場で来年に備えています。

いずれもサンデーサイレンスの血が入っていることもあり、戦績もマイルが主戦場ということで、先述のロードカナロアはじめ、イスラボニータ、リアルインパクト、そしてスクリーンヒーロー産駒の最高傑作ともいえるモーリスなどライバル馬も多く、繁殖相手には苦労するとは思われますが、現役時代は馬格に恵まれた両馬なので、小柄な繁殖牝馬に種付けして少しでもサイズが大き目でスピードのある産駒が欲しいという生産者には需要がある血統かと思われます。

その他、血の飽和に対処する狙いもあり、海外からも続々と有望な種牡馬が日本でほぼ毎年スタッドインしている状況ですので、G1勝ちのない両頭には厳しい未来が待っているかもしれませんが、血統は悪くないだけに思わぬ掘り出し物が出る可能性もありますので、産駒には注目してみてほしいですね。