【JRA阪神牝馬S2025】前哨戦の主役は誰だ?データ傾向から狙う注目の4頭とは

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春本番を迎え、満開の桜が咲き誇る阪神競馬場では、今週末にかけて華やかな牝馬限定のマイル戦が連日開催される。なかでも注目を集めるのが、土曜メインレースとして行われるG2「阪神牝馬ステークス」だ。このレースは、ヴィクトリアマイルの前哨戦という位置づけながら、トップクラスの一線級が回避することも多く、中堅どころの牝馬たちにとっては重賞タイトルを狙える絶好のチャンスとなる。

過去10年のデータを見ると、1番人気馬は【3-2-1-0】とまずまずの成績を収めているが、絶対的な信頼を置けるかといえば微妙なところ。ただ、波乱の展開も少なく、勝ち馬10頭中8頭が「4番人気以内」から出ており、馬券の軸は上位人気馬を中心に考えるのがセオリーと言えそうだ。一方で、6番人気以下の馬も【2-5-4-74】と3着以内に食い込む例はそれなりにあり、相手候補に人気薄を加えることで高配当を狙えるレースでもある。

前走レース別で好成績を挙げているのは、2勝ずつを挙げている京都牝馬Sと東京新聞杯で、他には中山牝馬Sや初音Sなど、牝馬限定戦やマイル重賞での好走歴が目立つ。前走の着順に関しては、5着以下から巻き返した例も5勝を挙げており、結果自体はそれほど気にしなくてもよい。ただし、前走でまったく人気がなかった馬は、本番でも通用しにくい傾向がある点には注意が必要だ。

年齢別で見ると、4歳馬が5勝を挙げており、勢いのある若い世代が台頭してきている。対して6歳以上の馬は【1-0-3-24】と苦戦傾向が強く、近年は特に人気を集める高齢馬ほど過信は禁物だ。

脚質別では、先行馬が4勝、逃げ馬も2勝と、基本的には前目につける馬が有利な傾向がある。ただ、差しも4勝を挙げており、末脚勝負で鋭く伸びてくるタイプの牝馬も軽視は禁物。展開と馬場コンディションに応じた柔軟な読みが求められる一戦だ。

このような背景を踏まえ、今年注目したいのは以下の4頭。

まずはタガノエルピーダ。朝日杯FSでの善戦やチューリップ賞での好走など、世代マイル重賞で安定した走りを見せてきた。牝馬三冠戦線では結果を残せなかったが、1800mや1600mと距離を縮めることで再びパフォーマンスが上昇。勢いそのままに、古馬戦でも一気のブレイクが期待される。

次に注目したいのがスウィープフィート。チューリップ賞の勝ち馬で、桜花賞でも4着と実績は上位。前走の愛知杯では17番手という後方からの競馬で上がり最速の末脚を見せ、6着まで追い上げてきた。展開に左右されやすい脚質ではあるが、得意のマイル戦であればその切れ味が生きる可能性は十分にある。

ボンドガールはまだ重賞勝ちはないものの、これまで重賞7戦で【0-5-1-1】という安定感が光る。善戦止まりという印象もあるが、ヴィクトリアマイルを見据えた調整レースであっても、ここで好位からスムーズに立ち回れば勝ち負けに持ち込める力は持っている。

最後にビヨンドザヴァレー。3走前の清水Sを快勝し、続くターコイズSで2着、中山牝馬Sで4着と着実に力をつけてきた。とくに昇級後の内容は秀逸で、今回も安定した競馬が期待できる。別定戦での斤量55kgは課題だが、クラス慣れも見込めるここは、重賞初制覇のチャンスだ。