【中山グランドJ予想2025】王者なき春、主役の座を狙う4頭をピックアップ!

J・G1中山グランドジャンプの第一着本賞金が、今年から再び7,000万円へと戻された。オジュウチョウサンが無双していた時代はすでに過去の話となり、ここ2年はイロゴトシが連覇。同一馬が長く活躍するのは障害レースにありがちな傾向だ。
ただ、今年はイロゴトシが不在。昨年の上位馬の中で今年も出走を予定しているのは、2着だったジューンベロシティただ1頭となる。自然とこの馬に注目が集まる構図だ。オジュウチョウサンの引退以降、このレースでは1番人気が2年連続で馬券圏外に沈んでおり、「絶対的王者なき時代」の混戦模様が顕著になってきた。
傾向面から見ると、前走が阪神スプリングジャンプだった馬は過去10年で【6-6-4-20】という好成績を残しており、ほぼ毎年馬券に絡んでいる。一方で、年明け以降のオープン特別組や、長期休み明けの馬は苦戦傾向にあり、中山大障害以外からの臨戦には注意が必要だ。
さらに、過去10年の勝ち馬10頭中9頭は前走で「4着以内」に入っていた馬だった。5着以下から巻き返すケースは稀で、基本的に前走好走馬が上位争いに加わる構図が続いている。
障害戦は「前有利」が基本。高い飛越能力を持つ馬ほど自然と前々で運ぶ傾向にあり、かつレースが消耗戦になりやすいため、後方待機組には直線で巻き返す余力が残らない。こうした背景を踏まえ、今年注目したいのは以下の4頭だ。
1頭目は、ジューンベロシティ。このレースには過去2度出走しており、6着・2着という戦績。実績・能力は間違いなく上位となる。前走の阪神スプリングジャンプでは2着と好走しており、叩き2戦目で臨戦態勢は万全といった印象。ここでの勝ち負けは当然の期待だ。
2頭目は、インプレス。障害転向後は無傷の4連勝と破竹の勢い。芝では3勝クラスを快勝した実績もあり、平地力は重賞級だ。中山のタフな障害G1でも上位争いは十分可能であろう。鞍上の小牧加矢太にとっても、G1初制覇の絶好機となる。
3頭目は、スマイルスルー。京都ジャンプS、小倉ジャンプSと重賞を連勝中で、こちらも4連勝中。成長力と勢いが武器の1頭。今回が初の4000m超となるが、距離さえこなせれば勝ち負けに加われる存在だ。
4頭目は、ネビーイーム。重賞勝ちはないものの、G1・中山大障害で3着、G2・阪神スプリングジャンプでも3着と、上位相手に互角のレースを続けている。安定感と実績を兼ね備えており、人気が落ちるようなら狙い目の存在となる。
実績馬の貫禄か、勢いの新星か。絶対王者なき今、障害界の頂点を巡る戦いは予想以上にスリリングなものとなりそうだ。