JRA藤田菜七子騎手、サウジ遠征。サウジカップへは8頭の日本馬が登録

2016年に経済改革計画の「ビジョン2030」を発表したサウジアラビア。2020年となり、その計画も着々と進みつつあるようです。昨年は、直接投資を行う目的で設立された海外企業数は過去10年間で最大となり、世界的に注目度が高まっている国でもあります。2023年のF1開催へ向けて新サーキットの建設、巨大エンタメ都市「キッディーヤ」の建設計画など、原油関連収入への依存からの脱却および経済の多様化へ向けて様々な取り組みが行われております。

2020年2月29日で第1回を迎えることになる競馬のビッグイベント「サウジカップ」も改革計画の一環とみられますが、驚くのはその総賞金。

サウジアラビア・ジョッキークラブは昨年8月、首都リヤドにあるキング・アブドゥルアズィズ競馬場にて「サウジカップ」を開催することを発表し、総額20億円超という総賞金を公表したことで競馬界においても世界の注目を集めました。総額20億円という金額は世界最高賞金額で、開催される8レースの中でも目玉となるサウジカップは世界で唯一1着賞金が10億円を超えるレースとなります。

昨年までは検疫の関係で日本馬は出走できないとされておりましたが、今年1月15日付けで、サウジアラビアへ輸出される国際交流競走出走馬の家畜衛生条件が締結され、日本馬による出走が可能となりました。

先週17日、さっそく8頭の日本馬の登録が発表されました。登録馬は以下の通り。

  • クリソベリル(牡4、音無秀孝厩舎)
  • ゴールドドリーム(牡7、平田修厩舎)
  • ケイティブレイブ(牡7、杉山晴紀厩舎)
  • ディアドラ(牝6、橋田満厩舎)
  • モズアスコット(牡6、矢作芳人厩舎)
  • コパノキッキング(セ5、村山明厩舎)
  • オンザロックス(牡7、森秀行厩舎)
  • ヨシオ(牡7、森秀行厩舎)

世界16か国から計143頭がエントリーされ、騎手についても世界のトップジョッキーたちの集結が予想されます。日本から参戦する騎手は現在未定となっておりますが、現在唯一のJRA女性ジョッキーとして活躍する藤田菜七子騎手が、サウジカップの先日28日に行われる騎手招待レースに参戦することになっております。主催者によれば男女7人ずつの計14人が参加し、4~7Rの合計ポイントを競うということで、藤田騎手以外の日本人騎手も招待される見込みのようです。

藤田騎手は昨年6月にスウェーデンで開催された「ウィメンジョッキーズワールドカップ」で総合優勝を果たし、昨年8月にはイギリスで行われた伝統的な招待騎手レース「シャーガーカップ」にも女性選抜チームとして参戦するなど、海外挑戦にも積極的です。今年は3月にスペインのサルスエラ競馬場で開催される国際騎手招待レースも視野に入れているようで、2020年も海外挑戦に積極的に取り組んでいく年となりそうです。

サウジアラビアはイスラム教国のため馬券の発売はありませんが、第1回目の開催となる世界最高賞金額のレースということで全世界が注目するレース。馬券は買えずとも記念ずべき第1回目は日本馬Vに期待して、応援したいと思います。

それにしても、昨年UAEが開催するドバイワールドカップが総賞金を約13億円に引き上げてペガサスワールドカップを抜いて世界一に返り咲いたと思ったら、今後は新参のサウジカップが約20億円超でいきなりトップに立つとは。毎年のように世界一の総賞金を引き上げているリッチな国々の競走には驚かされるばかりです。