【中山記念予想2018】ヴィブロス、ここは叩きの一戦

勝馬に大阪杯への優先出走権が与えられることもあり、マイルから中距離路線のトップホースが始動戦としてここを選ぶことも多く、近年はドバイや香港への遠征を見据えた馬の出走も多い中山記念。

今年もドバイを目指す一頭の馬がここから始動する。大魔神こと佐々木主浩オーナーの愛馬、ヴィブロス(牝5、友道康夫厩舎)だ。年始に中山記念→ドバイ→宝塚記念のローテーションを発表したが、とくに連覇がかかるドバイターフの本気度は高そうだ。

昨年は初海外となるドバイターフに挑戦し、5番人気とやや低評価ながらも、外からの見事な差しで優勝。今年も昨年と同じローテーションで連覇へ挑む。

ヴィブロスは2017年の最優秀4歳以上牝馬に選出されたが、ドバイでの快挙が受賞に大きく貢献したことは間違いだろう。賞金額は国内最高賞金の有馬記念とジャパンカップの3億円を上回る360万ドル(約4億円)と破格の値段だ。その賞金額の高さや連覇達成の価値を考えれば、中山記念は叩きで、大一番はドバイと見て間違いないだろう。

叩きならここは仕上がりもまだまだ余裕を残すだろうし、試走の可能性が高いここは重い印を打ちづらいところというのが正直な感想だ。

とは言え、今年のメンバーは昨年以上という印象もないし、昨年勝馬と0.3秒差ということを考えると、3着までなら十分ありえる。去年国内で勝ち星をあげれなかったことを考えると、久々の国内重賞制覇を果たすには良い舞台のように思えるが、やはり大一番の前では重い印は打ちづらく、慎重に検討したい一頭だ。

鞍上は、昨年の中山記念でもヴィブロスの手綱を握った内田博幸騎手となっている。同馬とのコンビはちょうど1年ぶりとなるが、内田騎手は先週ノンコノユメで復活Vを果たすなど勢いのある騎手だ。また、ヴィルシーナでヴィクトリアマイル連覇を果たした騎手でもあり、佐々木オーナーからの信頼も厚い。

それにしても、近年の佐々木オーナーの馬主としての活躍ぶりには目を見張るものがある。昨年ジャパンカップを制したシュヴァルグラン、G1を2勝したヴィルシーナ、ドバイターフを優勝したヴィブロス。馬主歴50年以上の北島三郎氏がG1勝利を果たしたのはつい最近のことだが、馬主歴10年ほどでこれほどまでにG1レースを勝てている佐々木氏の強運は恐ろしさすら感じる。プロ野球選手の時に稼いだ累計金額には遠く及ばないが、累計獲得賞金額20億円という金額は馬主としても成功したと胸を張って言える金額だ。ドバイ連覇に挑む佐々木オーナーの快進撃はまだまだ続きそうだ。