秋の牝馬重賞戦線を占う重要な一戦「クイーンS」が開催されます。今年は札幌ではなく、函館での開催となります。例年レベルの高いメンバーが集結する「夏の女王決定戦」ですが、今年は一体どんな馬が揃ったのでしょうか。今回は出走予定馬の中でも上位人気となりそうな有力馬3頭をピックアップしてみたので、各馬を考察してみたいと思います。

マジックキャッスル（牝4、国枝栄厩舎）

今年初戦の愛知杯を制し、重賞初制覇を果たしたマジックキャッスル。続く阪神牝馬S・2着、前走のヴィクトリアマイル・3着とハイレベルなメンバーを相手に好走しています。前走のヴィクトリアマイルは内から鋭く抜け出して好走しているように、前へ行く脚はなくとも鋭い末脚は魅力。距離がやや短かった印象もあり、距離延長はプラスに働きそうです。初の洋芝で直線も短くなるのは気がかりですが、狭いところを割って来れる器用さもある馬なので、好勝負を演じてくれる可能性は高そうです。

ドナアトラエンテ（牝5、国枝栄厩舎）

3冠牝馬ジェンティルドンナの全妹という良血、ドナアトラエンテ。これまで出走したレースは全て1800mで、距離は言わずもがなベスト。2走前の中山牝馬Sは9着に大敗していますが、不良馬場に脚を取られて末脚が不発した形でした。続く福島牝馬Sでは上がり33.7秒の末脚を繰り出し2着に好走しており、重賞でも通用する決め手があることを証明しました。まだ重賞勝ちはありませんが、今までで11戦をこなして10戦が3着以内と堅実で、前走の好走ぶりからも重賞タイトルは時間の問題と感じます。

テルツェット（牝4、和田正一厩舎）

2走前のダービー卿CTを3連勝で制し、重賞初制覇を果たしたテルツェット。4連勝の勢いで挑んだ前走のヴィクトリアマイルでは14着と大敗しましたが、レース前から興奮気味で、高速馬場も合わなかった印象。この点からも洋芝替りはプラスに働く可能性が高そうです。懸念は馬場よりも距離にありそうで、マイルを主戦場としてきた同馬が1800mでもしっかり脚を溜めて弾けることが出来るかどうかがポイントとなりそうです。1勝クラスの2000mで3着の実績はありますし、ダービー卿CTの時のように落ち着いて脚を溜める事ができれば、持ち前の瞬発力で好勝負に持ち込んでくれそうです。