来年3月開業の蛯名正義師、藤沢厩舎の後継者となるのか?

今年2月に34年間の騎手生活に別れを告げ、調教師に転身した元騎手の蛯名正義氏。

開業までの準備期間として、現在は技術調教師として藤沢和雄調教師のもとに師事している形となっている。藤沢調教師とは調教師試験前から縁があり、蛯名騎手の現役最終日には同厩舎の馬で2勝を挙げるなど、最後まで蛯名騎手をサポートした。

蛯名厩舎の開業は来年、2022年の3月だ。待望の蝦名厩舎開業も楽しみだが、同じタイミングで藤沢厩舎は解散となる。来年2月で引退の藤沢師は今年がラストイヤーとなるが、年間40勝以上は当たり前の厩舎が今年は7月27日の時点で17勝と少なめだ。蝦名氏の受け皿となり調教師のノウハウを伝授と、最後はレースよりも後継者に力を注いでいるということか。

ただ、藤沢師の元で研修してきた新米調教師は蛯名氏以外にも多くいる。最近では昨年同じく騎手から調教師へ転身した四位洋文師や、武幸四郎師、勇退した角居師も、かつて藤沢厩舎で開業前に研修をしていた。惜し気もなくノウハウを伝える藤沢師自身の人格も人気の理由だろう。藤沢厩舎をそのまま蝦名氏が引き継ぐという話も囁かれているが、真相は定かではない。ただ、引退が近づいても後継の厩舎が美浦に見当たらないのが気掛かりであったという中で、蛯名氏の調教師試験合格は藤沢師にとっては朗報だったとも言えるのではなかろうか。

何れにせよ、同期である武豊騎手との親しい関係を考えても、開業後は蝦名氏の厩舎に依頼をしたい人も多いはず。開業後好スタートを切るためにも、名門藤沢厩舎の師から得られるものは何でも得ておきたいところだろう。師からの信頼も厚く、競馬サークルの中でも面倒見のいい先輩で通っている騎手だけに、厩舎開業が楽しみだ。