2016年の総決算とも呼べる有馬記念。昨年は幸運なことに、◎サウンズオブアースと○ゴールドアクターで馬連、三連複のダブル的中となり気持ちの良い年末を過ごすことが出来た。また、年明けまで約2週間近く競馬が行われないだけに、精神的にも必ず良い形で締めたいレースである。そして、今年も昨年の1〜4着馬に加えて3歳馬代表のサトノダイヤモンドやミッキークイーン、シュヴァルグランが参戦。何となく堅いイメージが湧くメンバー構成も、コーナー6つのトリッキーなコースの中山芝2500mであれば波乱の可能性もあるだろう。したがって、今回は穴馬として期待している1頭について買える理由などを記載した上で詳しく見ていきたいと考えている。さらに、最後には上位人気馬の取捨選択についても深い部分まで見ていくので、ぜひ前日予想などの参考にして頂ければと考えている。
まず、今年の有馬記念で上位人気が予想されているのは以下の3頭である。それは、①キタサンブラック(武豊騎手)と②サトノダイヤモンド(ルメール騎手)、③ゴールドアクター(吉田隼騎手)である。
やはり、最も注目すべき馬は①キタサンブラックだ。春の天皇賞(春)から1.3.1.1着であるように先行力のあるレース運びから安定感抜群の競馬で、ジャパンカップでも他馬を全く寄せ付けない圧勝劇を披露した。また、昨年も3着に好走しており、マルターズアポジーの2番手からスンナリ運べれば大きく崩れるとは考えづらいだろう。ただ、唯一避けたいのが直線の極端な上がり勝負なので、おそらく3〜4コーナーで早目に動く形になるはずである。
一方で、②サトノダイヤモンドと③ゴールドアクターは不安要素がある。前者に関しては同世代で戦った皐月賞馬のディーマジェスティがジャパンカップで通用しなかった通り、今年の3歳勢のレベルに疑問を覚える。確かに自在性のある競馬や前走の勝ち方を見ても距離に全くの不安はないが、古馬相手に横綱相撲で勝ち切るほどの力があるとも思えない。サトノが10月以降海外G1を含めて3勝しオーナー共に勢いに乗るが、過剰人気感は否めないだろう。そして、昨年の覇者である③ゴールドアクターも心配だ。東京コースよりも中山コースの方が相性が良いことは間違いない。ただ、どちらかと言えば雨が残るタフな馬場は合わないタイプ。前走の4着でやや底を見せてしまった感があり、週末の天候次第では無印評価も検討している1頭である。
今年の穴馬はデニムアンドルビーだ!この馬が波乱を巻き起こす!
今回のレースで最も期待している穴馬は①デニムアンドルビー(バルザローナ騎手)である。現在では推定で8〜12番人気が予想され、全く注目されていない。
しかし過去に宝塚記念とジャパンカップで2着に好走しているように、条件さえ揃えば牡馬相手のG1でも通用する力はある。前走の金鯱賞も1年5ヶ月の屈腱炎明けに加えて直線では前が塞がる不利がありながらの8着で、価値のあるレース内容であった。また、この馬の得意な形はスローペースから直線の瞬発力勝負。例年や今年のメンツを見ても3〜4コーナーからの上がり勝負が予想され、この馬格好の展開になる事は間違いない。さらにバルザローナ騎手も前走で一度この馬に跨っており、2年前の有馬記念のように大外一気で勝負出来ればあっと言わせる場面があるはずだ。当時よりメンバーレベルは確実に下がっており、ここでG1初制覇を飾る可能性も大いにあり得る。
今回は穴馬として面白いデニムアンドルビーを中心に取り上げたが、もちろんキタサンブラックも軽視は出来ない。また、マリアライトやサウンズオブアース、シュヴァルグランにも注意する必要があり、枠順や馬場状態などを掴むまでは軸選定に頭を悩ませそうである。一方で、ゴールドアクターとサトノダイヤモンドにとっては厳しいレースが予想され、推せるポイントが見当たらない。有馬記念は2016年を締めるレース。終わり良ければ全て良しとの言葉もあるが、ぜひ読者の方もデニムアンドルビーを頭の片隅に覚えておいて頂き、上記の人気馬とうまく絡めて良い年末を過ごして頂きたいと思う。