【有馬記念2016予想】シュヴァルグラン鞍上福永騎手、骨折の影響は皆無か?

有馬記念に出走するシュヴァルグランは、父には有馬記念を制したハーツクライ、母は産駒にヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナや今年の秋華賞を制したヴィブロスのいる名牝ハルーワスウィートといった、良血に生まれた素質馬だ。馬主は前述のヴィルシーナ、ヴィブロスと同じ元プロ野球選手の佐々木主浩さんである。3歳時は重賞で善戦はしていたものの、目立った活躍はなかったのだが、昨年末から急成長してきた馬で、春の天皇賞、ジャパンカップ3着とG1勝利まであと一歩という位置まで来ている馬だ。

レースは中団からの差し競馬を得意とし、上がりの速いレースをするのが特徴だ。エンジンが掛かることが遅いものの、伸びた後は他を寄せ付けない走りをするので、長く良い脚が生きる展開になれば強い競馬をする馬だ。これは外からでも内からでもスペースがあればしっかりと伸びてくるので、有馬記念で不利とされる外枠・7枠14番になってしまったが、枠はそれほど関係ない馬である。

今年走った全6戦は全て重賞レースであり、そこで阪神大賞典とアルゼンチン共和国杯の2勝、2着1回、3着2回と力は十分証明されている。宝塚記念こそ惨敗であったものの、これは直線でスペースがなく上手く力を出せないままでのレースであった。重賞でも上がりは宝塚記念を除いて3番以内であるので、力さえ出し切れれば非常に安定していたのだ。

有馬記念は血統から見ても父のハーツクライ自身が有馬記念馬であると共に自身も距離に全く不安は2400メートルから3000メートルの間でも実績が十分あるだけではなく、アルゼンチン共和国杯で同距離は経験しているのである。しかし中山競馬場での経験が全くなく、有馬記念が行われる中山競馬場は直線が310メートルと短いので、シュヴァルグランのエンジンの掛かりが遅い競馬が通用するのか気になるが、阪神大賞典のように3コーナー辺りから徐々に上げていくような展開になれば期待の持てる1頭である。

福永騎手、怪我は本当に万全?

鞍上は福永祐一騎手で相性面で成績も残しており特に不安点はないが、今月3日の落馬により軽度とは言え鎖骨を骨折をしている。ドクターチェックにより復帰のお墨付きは貰ったが、骨折からまだおよそ3週間。果たして全く影響がないものなのか?検査段階では大丈夫でも、馬上の振動で何かが起きる可能性はないのだろうか?決して余裕のある相手関係ではない。一年を締めくくる大レースの命運を預けるには多少の疑問もしこりが残る。直前のレースであるホープフルSにも期待の1勝馬グローブシアターで騎乗する。買う判断のためにも、福永騎手の動きにはぜひ注目しておいたほうが良いだろう。