今年は高松宮記念の1着ダノンスマッシュが参戦。父ロードカナロアとの父子による春秋スプリントG1制覇の夢が膨らむ。偉大なる父に肩を並べることができるか、重要な一戦だ。
ダノンスマッシュは昨年暮れの香港スプリントを優勝。G1・6勝をあげた父ロードカナロアが連覇しているレースで悲願のG1初制覇を飾り、ドラマを演じた。今春の高松宮記念は重馬場をものともせず、中団から一気差しでJRAのG1初Vも達成と、名実ともにスプリント界の頂点を極めた。
前走は4月の香港・チェアマンズスプリントプライズ・6着。コーナーで外を回っていたことも厳しかったが、スローペースに付き合い過ぎてしまい、本来の競馬ではない差しに回っての競馬となってしまったことも大きな敗因と言えよう。展開の向かない競馬であったと考えればそこまで悲観する負け方ではない。
以来5カ月半ぶりの実戦となるが、この馬は休み明けの方が走るタイプでもあり、ローテーションに関しての不安はない。23日に行われた1週前追い切りは栗東坂路で当日の一番時計となる50秒0をマーク。上がり1Fも12秒2と抜群の切れ味を披露している。主戦川田騎手も好感触を掴んでいる様子で、ここまで万全の調整ぶりだ。
今回は陣営にとっても大きな記録が懸かった一戦となる。これまで同一年の春秋スプリントG1制覇を果たしているのは5頭で、父子で決めれば史上初。今年勝てば安田隆師にとって調教師史上1位の4勝、さらに安田師自身は区切りのJRA重賞50勝目(G1・14勝目)も懸かる。父も管理した指揮官の意気込みは強く、偉業達成となるか注目が集まる。