2015年8月に話題となった脱毛サロンの経営危機で「ミュゼ」の馬の今後が心配されているが、オーナーであった高橋仁オーナーの所有馬は全て「ヤマイチ水産(株)」の坂本肇オーナーへと名義変更された。オーナーは変わったが所属厩舎や騎手も大幅な変更は無いので走りには大きな影響は無いと見てよさそうだ。
今月21日(祝月)に中山競馬場で行われる「第69回セントライト記念(G2)」には2頭のミュゼホースが出走する予定だ。黒岩厩舎のミュゼエイリアン(牡3)と大江厩舎のミュゼゴースト(牡3)である。ミュゼエイリアンは今年3月に行われた毎日杯(G3、阪神)を優勝して初の重賞制覇を達成しており、今後はG1戦線での活躍が楽しみなミュゼの稼ぎ頭だ。ミュゼゴーストは7月に行われたラジオNIKKEI賞(G3、福島)で2着に健闘し、重賞勝利も近いと囁かれる期待の3歳馬だ。
2頭とも中距離路線を進めてきたが、ここへ来て菊花賞トライアルであるセントライト記念に登録してきた。3000mの菊花賞を目標にステイヤーとしての"血"を開花させていく方針だろうか。
胴が長くスラっとした小型な馬体のミュゼエイリアンは長距離がこなせそうな気配を漂わせる。距離を徐々に伸ばしてきているのも良い。ミュゼエイリアンと比べるとミュゼゴーストはふっくらと丸みを帯びた馬体ではあるが、長距離競走に強いとされるリアルシャダイを母父に持ち、菊花賞を意識せざるを得ない血統である。
菊花賞への出走条件が例年通りのボーダーラインならすでにこの2頭は賞金的には足りていることとなるが、今後が期待されているだけに菊花賞トライアルであるセントライト記念では次走につながる良い走りを見せてほしいところだ。なにかとオーナーの一件で一悶着あった馬たちではあるが、良い結果を残して飛躍の秋を過ごせることを願っている。