今週29日(日)、京都競馬場のメインは芝1200mの「第22回シルクロードS(G3)」が開催されます。
過去の勝ち馬には、スプリンターズSでG1制覇を果たした2012年の勝ち馬ロードカナロアや、同じく2015年のスプリンターズSを優勝した2014年の勝ち馬ストレイトガール、JBCスプリントの勝ち馬で高松宮記念2着のドリームバレンチノなどがおり、短距離界を牽引した名馬もズラリ。今後の短距離界の勢力図を展望する一戦としても注目しておきたいレースで、まさに短距離界頂点へ繋がるシルクロードの十字路とも言えるレースでしょう。
さて、今年は登録馬が14頭と例年よりも出走頭数が少なめですが、少頭数だとどうしても警戒したくなるのが逃げ馬の存在です。ハナを切るのも、前の争いも、多頭数に比べればある程度は楽になるでしょうし、単騎逃げやマイペースで走りやすくなります。
前走逃げ切りVで重賞初制覇を果たした快速馬”ネロ”、今回も逃げるのか?
現在1番人気の最有力候補と言われている馬はネロですが、ちょうど前走を逃げ切って勝利していることからも、注目度の高い1頭と言えるでしょう。
正確に言えばネロは逃げ馬では無いのですが、前での競馬が得意な馬です。スタートが上手く、これまで逃げたレースは6回もあり、逃げても番手でもオーケーです。
前走の京阪杯(G3)は雨で重馬場開催でしたが、道悪を苦にせず4馬身差をつけて逃げ切って勝利しています。2番手以下の馬は全く勝負にならず、ネロの強さを引き立たせる脇役となりました。逃げ切って優勝したのは前走が初ですが、強い勝ち方だっただけに「今回も逃げるかも?」と逃げの手に期待する声も少なくないでしょう。
重馬場開催だった前走での好走ぶりや、過去の稍以上での好走っぷりからも、渋った馬場は歓迎。今開催の京都は週末の天気に恵まれておらず、馬場の消耗度はかなりのものです。京都コースは[2-0-0-7]で楽勝と惨敗の極端な成績となっておりますが、勝った前走と同じ舞台ですし、馬場も向いてきています。
昨年のシルクロードSにも出走しておりますが、外枠からの発走で3、4番手で先行し、最期の直線は伸びを欠いて9着でした。しかしそれ以降、主戦場を重賞に移してからも大きく崩れることはなく、安定感があります。スタートも良く、逃げも番手もでき、前で安定した走りができるネロは条件的に魅力たっぷりです。
鞍上は主戦騎手の内田騎手から、前走でM.バルザローナ騎手へ乗り替わり、今回は約1年3ヶ月ぶりに浜中俊騎手が手綱を握ることになる予定です。浜中騎手の今年の成績は条件戦で1勝、重賞では17日の日経新春杯(G2)2着が最高で、まだまだエンジンに火が入るのはこれからといった感じですが、昨年はダンスディレクターに乗って同競走を優勝している騎手でもありますし、今年は現役屈指のスピード馬に乗れますから、2017年の重賞1勝目の大きなチャンスがまわってきたと言えるでしょう。
昨年勝ったダンスディレクターも今年は武豊騎手で出走と怖いですが、勢いと安定感のある今のネロなら自信を持って挑んで良い。