【菊花賞2021】“距離”も“コース”も不安なし?ステラヴェローチェ堂々主役か

今年は皐月賞とダービー馬が不在の三冠最終戦となった菊花賞。混戦ムードが漂っているが、中心はステラヴェローチェで間違いないだろう。

日本ダービーと皐月ではいずれも3着と勝ちきれなかったが、前走の神戸新聞杯でダービー馬シャフリヤールなど、同世代の強敵を撃破し、成長のあとを示した。G1は昨年の朝日杯FS・2着と2歳時から常に上位争いをしてきた実績馬。ライバルが不在のここは主役の座を射止めたいところだろう。

距離の3000mは全頭が未知数ということで条件は皆一緒だが、これまでタフな馬場をこなしてきた点は阪神開催となる今年においては同馬にとってプラスに働きそうだ。阪神の3000mは内回りを1周半、コーナーを6度通過し、急坂が2度待ち構えるという非常にタフなコース形態となる。例年の京都以上にスタミナが問われる展開になる可能性は高い。

ステラヴェローチェは前走の神戸新聞杯・1着と昨年のサウジアラビアRC・1着は雨で不良馬場でのもの。いずれもメンバー最速の末脚を繰り出し、力強い身のこなしで差し切る強い内容であった。スタミナ自慢のバゴ産駒らしいパワーとスタミナが豊富な1頭だ。当然馬場悪化は歓迎だが、この馬は良馬場でも十分に力を発揮できる優等生。

父のバゴは凱旋門賞馬、そして父の初年度産駒ビッグウィークは2010年の菊花賞を制覇と血統的には長い距離をこなせそうな気配も十分。この馬のスタンスを貫く差し競馬に徹し、道中の立ち回りと仕掛けのタイミング次第で勝ち負けになるだろう。

皐月賞馬もダービー馬も不在のここは人気と他馬からのマークを集めそうだが、支持に応える勝利を期待したい。2010年のビッグウィーク以来、11年ぶりのバゴ産駒菊花賞制覇となるか。目が離せない。