春競馬を終えて主要国内馬の凱旋門挑戦への動向をチェック

凱旋門賞制覇への夢は大きいものの、遠征は楽ではなく費用もバカにならないため可能性の低いうちは踏ん切りが付かないもの。

そこで春での仕上がりを見て秋競馬への動向を決め、凱旋門賞への挑戦をするか否かといった陣営は少なくはないでしょう。

凱旋門賞挑戦の意思を露わにしていた各陣営のコメントをご紹介していきます。

ワンアンドオンリー凱旋門賞断念

宝塚記念で11着と惨敗した2014年のダービー馬は既に登録していた凱旋門賞を断念し、秋の国内王道ローテーションへ進むことを発表しました。

橋口調教師は「まだ全力で走れていない」とし、天皇賞(秋)からジャパンカップ、有馬記念となる予定と語りました。天皇賞直行となるか間に挟むかどうかは夏休み中のワンアンドオンリー自身の状態次第になる模様。

ルージュバックは札幌記念次第で

近年凱旋門賞で最も有利とされている3歳牝馬筆頭であるルージュバック。鳴り物入りでクラシック戦線に踊りでたものの蓋を開けてみれば桜花賞9着、オークス2着と未だ無冠。オークス2着は決して悪い成績ではないのですがルージュバックなのにクラシックが取れていないというだけで落胆されるのがこの馬のすごいところ。

とはいえ無冠は無冠。このままでは凱旋門賞で戦えないという判断か未だが本決定ではなく札幌記念へ出走し結果を見て判断とのこと。

ドゥラメンテ最悪の第三の選択

皐月賞、日本ダービーと圧倒的な強さを見せつけ、もはや三冠は約束されたものとして三冠を取るのか凱旋門賞へ挑戦するのか議論を白熱させたところでまさかの両前脚の骨折が発覚。菊花賞、凱旋門どころか年内の復帰すら難しいどちらも回避という第三の結末となってしまいました。

最悪の選択と題をつけたものの馬にとってみれば休養をとれたというプラスの面もあります。馬にとって骨折は競走馬生命どころか、文字通り生命に関わる問題なので、最悪の状態は免れたといってよいでしょう。

3連覇待ったなし絶好調トレヴ

一昨年、昨年と多くの日本人競馬ファンを驚かせたトレヴが今年も凱旋門賞へ挑戦します。6月28日にフランス・サンクルー競馬場で開かれたフランス版の宝塚記念とも言えるサンクルー大賞典(G1、4歳上、芝2,400m)で見事優勝を果たしました。

これでトレヴのGⅠ勝ち星は5つ目となり元々の1番人気をさらに盤石なものとし、英国ブックメーカーのラドブロークスは3.5倍だったオッズを3倍に引き下げました。

今年は国内からの挑戦者なしの可能性も?

一次登録時点で日本からの登録はワンアンドオンリー、ルージュバック、ドゥラメンテ、エピファネイア、リアルスティールと5頭がエントリーしていましたが、そのうちドゥラメンテ、リアルスティール、エピファネイアが怪我で断念し、ワンアンドオンリーも回避。残すところはルージュバックのみとなり、夏の出来次第ではルージュバックの回避も十分に考えられます。

近年は毎年挑戦しつづけ、特に昨年は3頭同時挑戦ということもあり非常に身近になりつつあった凱旋門賞ですが、やはり踏破の壁は非常に分厚いものとなりそうです。

何よりも心配なのは力不足よりも怪我による断念が多い点です。早く元気になって活躍している姿を見せてくれることを祈りましょう!