【菊花賞2021】今年は“王者不在”!夏の上がり馬にも幅を利かせる余地は十分あり

皐月賞馬のエフフォーリアが天皇賞・秋、ダービー馬シャフリヤールがジャパンCをそれぞれ秋の大目標に選択したため、今年は混戦模様の菊花賞。春の二冠でともに3着だったステラヴェローチェが今回のメンバーでは実績最上位と言えそうです。

ただ、最終追い切りでは併せた馬と並びかけるとソラをつかって反応が一気になくなり、1馬身遅れでゴールと内容が良くありませんでした。「まだ精神的には幼いところがある」と鞍上の吉田騎手も追い切り後にコメントしているように、長距離戦においては大きな懸念材料となる精神面の課題が浮き彫りになっているため、今回は危険視したいと思います。

本命で狙いたいのは、追い切り評価の高い馬でも紹介させていただいた1頭、前走神戸新聞杯・2着のレッドジェネシスです。

ピッチ走法で迫力のある走りではありませんが、ロスが少なく長距離向きの走り。折り合いもしっかりつく馬なので、距離延長に大きな不安はありません。

ダービーでは横山騎手のまさかのポツン騎乗で11着に大敗しましたが、前走の神戸新聞杯は直線半ばで堂々先頭に立つ力強い走りで2着に好走。勝ち馬には離されましたが、ダービー馬のシャフリヤールにはきっちり先着し、G1でも通用する高い能力を示しました。しっかり折り合えてロスなく長く良い脚が使える実はG1レベルの能力馬です。

また、過去10年で8勝と断然強い「神戸新聞杯組」で2着、過去5年で4勝の「ディープインパクト産駒」とデータ的な後押しもあり、枠も3枠5番と絶好の内目を引いている今回は好条件が多く揃っています。ラスト一冠は、好条件が多く揃ったレッドジェネシスが奪取すると予想して、同馬を本命視したいと思います。

続いて相手ですが、“王者不在”のここは夏を境に実力をつけてきた上がり馬にも幅を利かせる余地は十分あり、ということで、上がり馬でオススメの穴馬を1頭紹介したいと思います。その馬は夏の条件戦を連勝中のディヴァインラヴです。

2走前の小倉2600mで行われたタイランドCは、激しく雨が降り一気に時計が掛かる馬場となった中で、好位追走から上がり最速の脚で抜け出して快勝。続く前走の中京2200mで行われた木曽川特別も、好位追走からそのまま抜け出して押し切る強い競馬で快勝。

長めの距離を2連勝と勢いがあるスタミナ豊富な3歳牝馬です。牝馬は1947年のブラウニー以来1頭も勝てておらず、勝てば74年ぶりの牝馬勝利ということでロマンを誘う魅力馬となっています。

鞍上は同レース2年連続連対中と好成績の福永祐一騎手。折り合いが重要視される長距離戦において福永騎手のあたりの柔らかい騎乗は大きなアドバンテージとなりそうで、“長距離は騎手で買え”という競馬の格言通りなら、福永騎手騎乗のディヴァインラヴはおさえておく必要があるでしょう。

ということで今年の菊花賞は本命レッドジェネシス、穴馬にはディヴァインラヴを絶対におさえておくという予想で勝負したいと思います。