昨年の覇者グランアレグリア。今年初戦の大阪杯は4着に敗れ、G1連勝はストップしたものの、久々の牝馬限定戦ヴィクトリアマイルを制し、G1・5勝目をマーク。以降は安田記念・2着、天皇賞秋・3着と惜敗が続いている状況だ。
「中距離G1を獲りたい」という方針を掲げて参戦した大阪杯は大雨の道悪で失速、続く天皇賞秋は早め先頭でマークが厳しくなり勝ちきれずと、距離が長すぎたことも敗因としてはありそうだが、条件にも恵まれなかった。前走後はジャパンCや香港も視野にあったが、香港は歩様や爪のチェックが厳しく、ジャパンCは距離の不安ありということで昨年勝ったマイルCSをチョイス。得意の距離に戻る今回タイトルは譲れないところだ。
この馬の良さは急坂があっても多少馬場が緩んでも速さが鈍らないパワー型ならではの強みだ。開催7週目でタフになってきた今阪神のマイルはベスト舞台と言って良いだろう。昨年のマイルCSはスピードに乗ったインディチャンプを残り1Fから追い出して並ぶ間もなく差し切るのだがら、強さに関しては疑いようがない。
ただ、この馬はローテーションは長くとった方が良い馬で、昨年のマイルCSはスプリンターズSから中6週と余裕があった。過去に中3週だったNHKマイルCは5着、中2週だった安田記念も2着に敗れている。1年に使われるレースは3~4回と大事に使われてきたこの馬にとって、今回は鬼門の中2週となる。また、天皇賞秋後には右前脚の蹄にダメージが出たということもあり、状態面が懸念される。立ちはだかる壁は自分自身と言って良いだろう。
勝てば史上6頭目の連覇となる。来年2月に定年を迎える藤沢和調教師に大きなプレゼントを贈れるか、注目が集まる。