一昨年の勝ち馬で、昨年2着のインディチャンプ。2019年の安田記念ではアーモンドアイを封じる金星。さらに同年のマイルCSは馬群の中から完璧な脚捌きで抜け出し、春秋マイルG1制覇を果たすなど、マイル路線を牽引してきたトップホースだ。昨年のマイルCSもグランアレグリアから0秒1差の2着に好走しており、相変わらずの安定感を示した。
前走の安田記念は好スタートから道中は中団前目を追走。直線は良い手応えで伸びるも、ゴール前で後続に差されて4着に敗れた。休み明けで差し決着と展開面の優劣もあったことを考えれば、コンマ2秒差の4着なら悲観する必要はないだろう。
とは言え、これまでほぼ完敗を喫している強敵グランアレグリアは今年も参戦。昨年はスローで得意の鋭さを生かした競馬を展開するも、最後は同馬に交わされている。善戦は大いに期待だが、グランアレグリアを相手に勝ちきるとなると簡単ではないだろう。
今年は6歳でもまだまだ戦えるところは見せているが、ピーク時よりはズブくなってきた印象もある。ただ、直線の長い東京ではキレ負けしそうだが、昨年同様阪神開催となる今年は巻き返せる可能性はある。今のタフな阪神ならステイゴールドの血も生きてくるのではないかという見方もできる。
今回約6ヶ月の休み明けという点も気がかりだ。同レースを制した一昨年は、秋初戦の毎日王冠を使って叩き2戦目で勝利。昨年はスプリンターズSを目標にしたが、アクシデントで使えず、結果的に直行ローテーションとなってしまっての2着。今年も昨年同様安田記念からの直行ローテーションだが、はじめから同レースから始動し、この後はG1香港マイルへ向かうローテーションが組まれている。陣営の組んだローテーション通りに進めることが出来ているという点においては、同じローテーションでも昨年以上と捉えることも可能か。
ただ、この馬は断然叩いた方が良いタイプ。引退レースとされている本番の香港マイルに照準を合わせているなら、仕上げてくるのは次走と考えるのが妥当だろう。どんな条件でも善戦してくれる馬主孝行な馬なので、叩きとはいえ手は抜けないが、アタマでは狙い難いというファンは少なくないだろう。上位人気の一角に推される人気馬になりそうなだけに、信頼しすぎるのは危険かもしれない。