名古屋県競馬組合は23日、11月9日から西脇馬事公苑で仮認定で業務している外国人厩務員が、競馬法違反容疑で逮捕されたと発表した。
当該外国人厩務員は、11月2日に厩務員としての認定申請があり、認定のため各種調査・照会が行われていた。面接ならび必要な書類を受理した後、同9日から仮認定厩務員として従事していたが、調査・照会の結果、インターネット投票事業者から会員としての登録ならびに勝馬投票券の購入が判明。兵庫県警に通報され、逮捕となった。
同組合の荒木一聡管理者は「この度、当競馬組合西脇馬事公苑の外国人仮認定厩務員による競馬法違反容疑事案が発生し、競馬ファンの皆様並びに園田競馬を支援していただいております関係者の皆様の信頼を裏切る事になり大変遺憾に思っております。当競馬組合としては、引き続き警察による徹底した捜査をお願いするとともに、捜査結果等を踏まえ、厳正な対応をしてまいります。競馬ファンの皆様が、今後も安心して馬券を購入していただけるよう、全力をあげて公正な競馬開催に取り組んでまいります」とコメントした。
地方競馬の人手不足対策として、外国人厩務員が急増
近年、地方競馬の一部主催者では、雇用促進につながる助成や社会保険加入に対する支援、労働力不足を補う外国人厩務員の円滑な受入れに取り組んでおり、協会でも、競馬関係者の人材確保を目的に、地方競馬情報サイト内にポータルサイト「厩人(うまやとひと)」を立ち上げ、厩務員募集等に係る情報発信に取り組んでいる。
厩務員の高齢化や不足で調教師が作業せざるを得ないケースが近年は目立っており、調教師会が外国人への開放を要望。市が農林水産省との調整や他の競馬場の状況確認を経て、国内在留資格を持つ外国人を対象に受け入れを決定しているというのが現状だ。
名古屋競馬以外でも、ホッカイドウ競馬では現在35の厩舎があり、その約半数が外国人を厩務員として雇っている。人手不足を解消するため2018年5月から受け入れを始め、インド人を中心に全体の4割となる約40人が在籍。他にも、高知競馬では一昨年9月から受け入れが始まり、現在110人余りの厩務員の1割が外国人となっている。
中央競馬でも競馬学校厩務員課程への応募者数の減少は深刻な課題となっている。一昨年の秋期募集から応募資格などが変更になり、年齢制限(満28歳未満)が撤廃。これが地方競馬や牧場から中央への人材流出につながる懸念にもなっており、地方競馬の業界ではさらに深刻化していると考えて良いだろう。
現在、飲食店やコンビニで、外国人労働者を見かける機会が急増している。日本はすでに、外国人労働者なしでは立ち行かない国になっているが、人手不足が続く競馬業界においても、その例外ではないようだ。