一昔前までの「関西の秘密兵器」を探すレースではなくなりましたが、クラシックに向けて重要な一戦に違いはない「すみれS」(2月26日、阪神・芝2200)。ルーラーシップ産駒が多く見受けられるように、スタミナ自慢が揃った印象です。
開幕週の絶好馬場に加えてスローになりやすい内回りコース。さらに落ち着いた頭数になるケースがほとんどということもあり、とにかく『逃げ~先行馬』断然のデータ。今年も馬券に組み立ては逃げ~先行馬が軸となりそうですね。
逃げ切りがあるのはクリンチャー、ダノンディスタンス、タガノアシュラ、レイトブルーマーの4頭。その中でも、何が何でもハナに行きたいタガノアシュラ(栗東・五十嵐厩舎)が注目馬。
前走のきさらぎ賞では本来の競馬ができたとはいえ、7着惨敗。荒れ馬場を気にしたことなど情状酌量の余地はあるものの、この馬の能力がどの程度なのか分からなくなってきたことも確か。だからこそ、言い訳の許されない舞台設定である今回で、ある程度の力差がはっきりするのではないかと思います。
ここまで函館芝1800と京都内2000で1勝ずつを挙げていますが、ともに「コーナー4つの小回りコース」という共通点があります。スピードを落とすことがなく、コーナーを回れるというのがこの馬の持ち味であり、前2走はワンターンの阪神、京都の外回り。この馬のベストパフォーマンスが期待できる舞台ではなかったと判断することも可能です。
阪神内回りは、持ち味が存分に生かせる舞台設定。荒れ馬場を気にした前走から、綺麗な馬場も大きな追い風と言えそうです。想定段階での鞍上は国分恭介騎手ですが、実戦では初騎乗でも再三調教では跨っており、コンタクトは十分取れています。
そして調教パターンを変えてきた点も見逃せません。前2走は坂路での最終追い切りでしたが、今回はポリトラックコース。これは黄菊賞1着時と同じパターンです。調教を見ても折り合いスムーズに動けていましたから、この調整が合うのでしょう。ピンパータイプなのは否めませんが、見限るには早計。条件好転のここは見直しが必要となりそうです。