皐月賞のトライアルレースとして行われる弥生賞が今週末中山競馬場で開催される。本番と同じ中山競馬場の芝2000mで争われる同競走はクラシック第一冠を前に精鋭馬がしのぎを削る注目度の高い一戦だ。昨年はマカヒキ、リオンディーズ、エアスピネルが激突し、本番さながらに盛り上がった。
今年の弥生賞の有力どころを見てみよう。サウジアラビアRCと東京スポーツ杯2歳Sを制し重賞2連勝中のブレスジャーニー、前走の京成杯を横綱競馬で制したコマノインパルス、前走の京都2歳Sで豪快な追い込みで重賞初勝利を飾ったカデナなどが人気を集めそうだが、昨年と比べるとレベルは落ちた印象を受ける。というよりはワクワク感が落ちたと言った方がいいか。
というのも、去年は弥生賞に進めてきた馬の前走がすごかった。朝日杯FSでは、直線で完璧に抜け出したはずの武豊エアスピネルをM.デムーロのリオンディーズが豪快に差し切り、最後は手綱を押さえる余裕のゴールを見せた。C.ルメールのマカヒキは前走若駒ステークスで逃げ馬が33.7秒で上がったレースでノーステッキで上がり32.6秒を叩き出し大物感を漂わせた。今年は有力馬の前走の内容が今ひとつインパクトに欠けているので、ワクワク感で劣るのはそれも原因の一つだろう。
前走京都では高いパフォーマンスを見せたカデナ、中山ではどうか?
今年の弥生賞で面白そうなのはカデナ(牡3、中竹和也厩舎)。前走京都2歳Sでは大外から鋭く末脚を伸ばし、強烈な決め手でレースを制した。その前の百日草特別(500万下)では絶望的な状況から狭い馬の間をこじ開けるように割って入り、勝負根性を見せての2着。ポテンシャルは相当ある。
前走の京都でのパフォーマンスは文句ナシだが今回は中山なのでどうか?という不安や、落馬負傷からレース前日に実戦復帰する予定の福永祐一騎手の休み明けの不安はある。人気しそうな馬だし今回は無茶せず試す競馬をしそうな気もするので買いづらい面もあるが、今年のメンバー相手ならそこまで恐れる必要もないだろう。面白そうな馬は買っておきたい性分なので、ここは買ってワクワクさせてもらおうと思っている。