今週は香港における芝2400m路線の最高峰「香港ヴァーズ」が香港のシャティン競馬場で開催されます。日本調教馬もこれまで延べ25頭が出走し、2001年のステイゴールド、2016年のサトノクラウン、そして2019年のグローリーヴェイズの3頭が優勝しており、日本馬との相性も良いレース。今年も一昨年の覇者であるグローリーヴェイズをはじめ、2頭の日本馬が参戦。今回は日本馬2頭を含め、上位人気が予想される前評判の高い馬を3頭ピックアップしてみました。

グローリーヴェイズ（牡6、尾関知人厩舎）

一昨年の覇者であるグローリーヴェイズ。馬群の中から一瞬の加速で突き抜け、2着馬に3馬身余りの差をつける圧勝劇で、2016年のサトノクラウンによる記録を1秒45も更新するレースレコードでした。幅広い距離で勝ち鞍があり、どんな距離でもこなせる安定感のある馬ですが、京都大賞典や日経新春杯で勝ち星を挙げているように、最も安定しているのが2400m前後。2走前は自身二度目の香港遠征となるクイーンエリザベス2世Cに出走し、勝ち馬ラヴズオンリーユーに0秒1差、牝馬3冠デアリングタクトに先着する2着に好走。一昨年好走した2400mの舞台で、2度目の制覇となるかに注目です。

ステイフーリッシュ（牡6、矢作芳人厩舎）

前走の福島記念・4着のステイフーリッシュ。2018年の京都新聞杯を勝利して以来勝ち星を挙げられずにいますが、今年2月の京都記念は2着、昨年はオールカマー、目黒記念、京都記念で3着に好走するなど、2200m以上の長距離重賞戦線で活躍。今回初の海外遠征となりますが、父は2001年にラストランの香港ヴァーズで有終の美を飾ったステイゴールドと期待感を高める血筋。親子制覇となるかに注目です。

モーグル（牡4、A.オブライエン厩舎）

昨年の覇者モーグルは連覇を狙って参戦。昨年は2400mのG1・パリ大賞を勝利し、迎えた香港ヴァーズでは香港の英雄エグザルタントを相手に3馬身差の圧勝を果たす強い内容でした。期待の3歳馬として注目されていましたが、1番人気に推された今年初戦のドバイシーマクラシックは7着、続くガネー賞も1番人気ながらに3着。その後はG3戦でも6着と、不振が続いています。ただ、平たんで馬場の硬いシャティン競馬場で能力を発揮するタイプで、昨年勝った相性の良い舞台なら、巻き返しの可能性は十分でしょう。