皐月賞を占う上で一番重要なレースとも言える弥生賞。昨年はマカヒキが勝利し、2着がリオンディーズ、3着がエアスピネルとクラシック上位を賑わせた力のある馬達が独占しました。レベルの高い馬がたくさん出てくる注目度の高い一戦ということで絶対に見逃せないレースですね。
さて、今年のメンバーを見てみると、4戦連続上り最速のディープ産駒のカデナを初め、前走京成杯を勝利したコマノインパルス、前走セントポーリア賞で上り最速を出しながら6着に敗れたものの京都2歳Sではカデナから0.4秒差の3着に入着しているベストアプローチ、父キングカメハメハ・母シーザリオ・リオンディーズの全弟という超良血馬グローブシアター、同じくキングカメハメハ産駒で2戦2勝のダイワギャグニー、最近活躍のサトノ軍団からは1戦1勝馬のサトノマックス、きさらぎ賞3着のダンビュライトなどなど・・・12頭立てながらも昨年に負けず劣らない猛者達が揃いました。さらに各馬の前走を見てみると、グローブシアター以外の全ての馬は前走で上り3ハロン上位3位以内という具合に、末脚自慢が勢揃いです。
そんな中で私が狙いたいのは、サムライハート産駒のディアシューターです。これだけ良血が揃った中でこの馬?!と驚くファンもいらっしゃるかもしれませんね。サムライハートと言えば父がサンデーサイレンス、母エアグルーヴと、血統的に見ればこちらも良血馬なのですが、現役時代の活躍がそこまでではなかったこともあってサムライハート産駒=(イコール)良血とは思われにくい種牡馬であることは確かです。
ディアシューターはデビューからの3戦を未勝利の後、4戦目のダート戦でようやく初勝利をあげました。4戦目での初勝利は弥生賞出走12頭中一番遅いですし、その後は一度も馬券圏内に入っておりません。そんな馬を狙うというのですから無謀だと言われても仕方がありませんね。レベルの高い弥生賞ですからなおさらです。
末脚自慢が揃った今回こそ、ディアシューターの”先行力”が活きる可能性大!
しかし、それでもあえて狙いたいのはこの馬の先行力にあります。初勝利をあげたレース以降は500万の条件戦1戦と重賞2戦で最高着順が5着ですが、この3戦とも1000mの通過タイムが1分1秒を切るレースで、先行馬にとっては厳しいレースだったというところは注意すべきところです。
そして今回の弥生賞。出走馬のレベルは上がってますが、有力馬のほとんどが末脚自慢ということですから、おそらく過去3戦よりもペースは落ちて先行馬にもチャンスがある展開になる可能性が高いです。そうなれば安定して先行できるディアシューターにとっては久しぶりに展開の利が見込めるレースで走れることになります。
今回出走するグローブシアターとはホープフルステークスで戦い0.6秒差で敗れておりますが、先行馬がきついレースの中の0.6秒差です。グローブシアターをはじめ上位に来た馬すべてが差し追い込みだったことを考えれば、この0.6秒差を縮めることは十分可能でしょう。
ということで、末脚自慢が揃った今年の弥生賞は、展開利が見込める先行馬ディアシューターが粘りこむのではと見ています。アタマは厳しくとも3着以内に粘る可能性は十分。中山はすでに4戦しておりコース経験もバッチリ。昨年は3番人気内で決まる堅い決着でしたが、今年は配当妙味たっぷりの伏兵馬ディアシューターがレースを盛り上げてくれるに違いありません。