競馬界は新年度!33期生の新人騎手、2日間の騎乗を終えて

気温も少しずつ温かくなりはじめ、日差しに春の訪れを感じる今日この頃。競馬界では一足はやく新人騎手が先週デビューし、新たに5人の騎手が競馬界へ加わりました。社会人で言えば入社初日、とにかく緊張はつきものですが各騎手の成績はいかがなものだったのでしょうか?一人ひとり振り返ってみたいと思います。

まずは競馬学校で騎乗技術が優秀だった生徒にアイルランド大使から贈られる「アイルランド大使特別賞」を受賞した川又賢治騎手から。デビューは3月2日の川崎競馬場10Rに7番人気のデブリンに騎乗し、10着に入着。その後は4日の阪神開催と5日の小倉開催で7鞍騎乗。5日の小倉12Rで2番人気のユウチェンジで6着が最高着順でした。同5日の小倉6Rでは3番人気のジュンファイトクンに騎乗するも、スタート直後に落馬し競走中止となりました。同期の中では比較的人気馬に乗る機会が多かったためか緊張して力む場面も見られましたが、計8鞍騎乗した内4鞍は人気以上の着順に入着し健闘してみせました。2日間乗り終えたコメントは以下の通り。「失敗だらけで、先生(森調教師)の指示通りに乗れませんでした。」

続いては木幡初広騎手を父に持ち、同じく騎手の木幡初也騎手と木幡巧也騎手を兄に持つ三男の木幡育也騎手。デビューは3月4日の中山5Rで12番人気のクリノカエサルに騎乗し13着に入着。翌日5日に2鞍騎乗し、土日で計3鞍騎乗。着順は13着、16着、12着に敗れましたが、馬質を考えれば妥当な結果でしょう。デビュー2日目の中山ではダートでハナをきって行く積極性も見せましたし、落ち着いて乗れているように感じました。コメントは以下の通り。「馬群のさばき方やコース取りなどもっとうまくなりたいです。」

続いて富田暁騎手。デビューは3月4日の阪神1Rで11番人気のローズクイーンに騎乗し7着に入着しました。4日と5日の阪神で計7鞍騎乗し、4日2Rに騎乗した9番人気のペプチドホープ5着が最高着順でした。7鞍のうち6鞍は人気以上の着順に入着しており、個人的には33期生の中では一番乗れており騎乗フォームもキレイだったという印象があります。身長が164.5cmと騎手の中では比較的大柄ですが、高身長を苦にしないキレイなフォームでした。「武豊みたいなスーパースターになる」「レースに向けてワクワクしています。」とデビュー前から前向きな姿勢を示す明るい性格の持ち主なのも好感が持てます。コメントは以下の通り。「競馬に乗るのが楽しいです。しっかりと乗れるように上達したい。」

次に調教師で元騎手の武藤善則を父に持つ武藤雅騎手。デビューは3月4日の中山1Rで、5番人気のラインアストロに騎乗し8着に入着。4日と5日の中山で計8鞍に騎乗し、5日の中山6Rに騎乗した9番人気のスビールアスール4着が最高着順でした。計8鞍のうち4鞍は人気以上の着順に入着。同期の中では武藤の4着が最高着順で、父武藤善則師の厩舎の馬で好走することが出来ました。今後も親子タッグで勝利を目指してもらいたいですね。コメントは以下の通り。「ひとつひとつの課題をしっかりとクリアして、うまくなりたいです」。

最後は父横山典弘騎手の息子の横山武騎手。デビューは3月4日の中山1Rで、10番人気のルーナデラセーラ-に騎乗し7着に入着。奇しくもこのデビュー戦は父の横山典弘騎手も参戦しており、デビュー初戦から親子直接対決が実現。レースでは息子の横山武がまずまずのスタートをきったものの、すぐにズルズルと後退し最後方まで下がってしまいます。さらに下がった息子を心配するかのようにもう一頭、ナムラアヴィに騎乗していた横山典も前と大きく離れて後方2番手を追走。デビュー初戦から「親子でポツン」と会場を大いに盛り上げくれました。このレースでは父の横山典が3着に入着し、息子の横山武は7着に入着。4日と5日の中山で計8鞍騎乗し、うち5鞍は人気よりも上の着順に入着。最高着順は4日8Rに騎乗した15番人気のクラウンロマン6着が最高。コメントは以下の通り。「2日間終えて、無事に乗れたのはよかった。今週の経験を生かして向上心を持って頑張ります。」

それぞれのコメントや騎乗スタイルなどから各騎手の個性が少し見えたかなという感じはありますが、実力を測るにはまだまだ早すぎる段階。まだまだ先は長く、野球で言えば高卒ルーキーの初マウンド、初打席をやっとこなしたという感じでしょうか。会社でも新人がいきなり活躍するなんてことはありませんし、これから少しづつ伸びていって競馬界を盛り上げていっていただきたいと思います。2日間、お疲れ様でした。