今年からGⅠへと格上げとなった「大阪杯」。とはいえ、GⅠになったからと言って急にレースの厚みが増すわけではなく、実績馬がここから始動という点では従来と何ら変わりなし。「GⅠでは底力不足だし・・・」という見解は振り払った方がいいでしょう。
もちろん注目は、昨年の年度代表馬キタサンブラックとダービー馬マカヒキということになりますが、前者はここが復帰戦であり、後者は京都記念が何とも物足りない内容。意外に混戦模様で、思わぬ波乱も十分と見ています。
そこで注目したいのが、ステファノス(牡6 栗東・藤原英厩舎)。ここまで通算21戦4勝、最後の勝ち星は2014年10月の富士Sまで遡らなければいけませんが、その間も国内外含めてGⅠ2着、3着が2回ずつと常に一線級での上位争いを続けています。
ステファノスと言えば叩き良化型ですが、ここまでの成績を振り返ってみると、叩き2戦目は【2-2-1-1】。この中には、天皇賞(秋)2着やクイーンエリザベス2世C2着も含まれています。金鯱賞をひと叩きした今回は狙いのローテーションとなるわけです。
そして唯一の重賞勝ちが富士S(芝1600)ということと、マイラー色の濃い母系から相手が手薄になりがちなマイル路線に行っていれば、という見方もできますが、持ち時計1分33秒2ではスピード不足ですし、2200もセントライト記念、宝塚記念と2度走っていますが、4、5着と最後の踏ん張りが利きませんでした。1600~1800では短く、2200では長い。この2000がベスト距離ということですね。
GⅠを勝つということは能力ももちろんですが、運も重要な要素。ローテーション、舞台と好走条件が揃い、有力どころが凡走気味という「運」も味方につけたなら、ステファノスにとってはいよいよここがGⅠ制覇の絶好のチャンスと言えそうです。