今月2日に阪神競馬場で開催された大阪杯を優勝したキタサンブラックが、10月1日にフランスのシャンティイ競馬場で開催される凱旋門賞に登録することが6日に明らかとなった!
今年の春は大阪杯、天皇賞・春、宝塚記念とG1・3戦のタフなローテーションが組まれており、同馬のオーナーであるサブちゃんこと北島三郎氏も当初は海外への挑戦には意欲的では無く、国内に専念する方向で進められていた。
しかし、前走の大阪杯を優勝した際に海外への出走について問われると「行くのは寂しい気持ちが親心としてあります。でも馬の体調が良ければ、そして皆さんが望むのであれば、決して反対はしていませんよ。」と前向きなコメントをしており、凱旋門賞出走の可能性もゼロではないことが明らかになった。凱旋門賞への挑戦を後押しするという意味でも、大阪杯の勝利は非常に大きなものであったと言えるだろう。
そして週が開けた6日、凱旋門賞へ登録することを発表し、検討どまりだった凱旋門賞挑戦がいよいよ現実味を帯びてきたのだ。キタサンブラックとコンビを組む主戦騎手の武豊騎手も年始のJRA賞受賞式では「シャンティイの芝適性はあると思います。」とコメントしているように、凱旋門賞挑戦に関しては肯定的だ。
それもそのはず、武にとって凱旋門賞は我々ファンが思っている以上に特別なレース。武はこれまで6回凱旋門賞に挑んでおり、1994年にホワイトマズルで挑んだのが初挑戦。この時ホワイトマズルはレースで優勝候補として名があがるほど人気な馬だったが、結果は残念ながら6着と惨敗だった。この結果に対して同馬を管理していた調教師のチャップルハイアム師は武を手酷く非難し、欧州メディアも「経験不足」と酷評し、海外の競馬サイト大手のThoroughbredinternetにおいても「ホワイトマズルに彼を乗せたのは愚策だったと証明されました。」と、各方面から散々に叩かれた。このくやしさを武豊騎手は忘れたことがないという。
「日本で実績を残しても、競馬先進国の人たちからすれば、大したことないと思われたわけです。でも、それが発奮材料になって、必ず見返してやると心に誓った。以来、毎年のように海外遠征し、しっかりと結果を出してきました」と後にコメントしているように、リベンジを狙う気持ちを強く持っていることが分かる。その後もディープインパクト、メイショウサムソン、ヴィクトワールピサ、キズナなど、これまで数々の名馬で凱旋門賞へ挑戦してきたが、1頭として勝ち星をあげることはできていない。それだけ凱旋門賞を獲るということは難しいことなのだ。
しかし、チャレンジする陣営がいなければいつまで経っても日本馬の優勝馬は出てこない。今回キタサンブラックで凱旋門賞に挑む姿勢を見せてくれた北島オーナーには敬意の念を抱くとともに、日本馬の優勝を見てみたいと思っている多くのファンの気持ちに応えてもらうためにも、出走するからには全力で応援したいと思う。個人的には凱旋門賞挑戦は大賛成。ぜひともフランスでキタサン祭りを!