現地時間20日、カナダを拠点に活躍する日本人の福元大輔騎手が、米サンタアニタ競馬場で行われた米G3・サンシメオンS(芝1300m)で、2番人気のバラーザ(牡4)に騎乗し優勝。米国重賞初制覇を果たした。
当初はJ.ヴェラスケス騎手が騎乗予定だったが、その騎手が乗れなくなったことで福元騎手へ乗り替わりとなっていた。
福元騎手はカナダのウッドバイン競馬場を拠点にしている日本人騎手で、一昨年には「カナダ版のダービー」と呼ばれるクイーンズプレートをマイティーハートで制覇。昨年7月には同馬とのコンビでG3ドミニオンデーSを制覇、同9月にはタウンクルーズとコンビを組み、ウッドバインマイルでG1初制覇を果たすなど、カナダ競馬界で活躍。現在はオフシーズンで、米国西海岸に遠征中。
福元騎手は2012年、日本国内で競馬学校を受験。合格すれば藤田菜七子騎手らと同期の生徒になるはずだったが、二次試験で不合格。翌年も再受験するが、ここでは一次試験で不合格という結果に終わった。
その後は栄進牧場勤務などを経て、2015年にはスタッフの勧めもあり単身カナダへ。2017年7月に現地で騎手免許を取得。シーズン終盤という事もあり、結局その年は4勝に終わったが、翌2018年は36勝を挙げ、JRA賞のカナダ版といえるソヴリン賞の優秀見習い騎手賞を受賞。
国内で叶わなかった騎手への道を諦めず、単身海外へ飛んで現地でその夢を叶えた福元ジョッキー。現地カナダのビッグレースを制すだけにとどまらず、遠征中の米国競馬でも重賞制覇と苦節の時を経てようやく花が開き出した。自ら学ぶ気概と行動力をもつ若きジョッキーのますますの活躍を期待したい。