今年からG1の格付けを獲得したサウジカップ。1着賞金約11億円という超巨額な賞金は陣営にとって大きな魅力ですし、世界的に注目を集めるこの一戦で成果を出すことは大きな名誉にもなるでしょう。
日本国内からはテーオーケインズとマルシュロレーヌの2頭が参戦。中でも個人的に期待値が高いのが、前走のチャンピオンズCを制して中央G1初制覇を果たしたテーオーケインズ。おそらく今が能力のピーク時にいるのではないかというくらいに絶好調。このタイミングでの海外遠征挑戦は大正解であると感じます。
初の海外遠征で馬場への対応も未知と初物づくしですが、地方・中央と両方の馬場で実績を残していますし、国内に限ってですが輸送自体を苦にするようなタイプでもありません。血統的に見ますと、父のシニスターミニスターは米ダート血統ですが、牝系はオークス馬のレディパステルを輩出するなど芝と無縁というわけでもありません。典型的なダート馬というタイプではないのが逆にアドバンテージとなり、対応できる馬場の幅広さへと繋がっているのではないでしょうか。
サウジカップが行われるキングアブドゥルアジーズ競馬場の馬場は、一見AW(オールウェザー)かと思いがちですが、砂漠の砂に有機物を混ぜて柔らかくしており、クッションが効いています。日本国内のダートは“砂”、アメリカのダートは“土”というイメージがありますが、日本の馬場はクッション性が高い分パワーが必要なのに対して、アメリカは馬場が固い分、スピードは出ますが、衝撃は強くなるという特徴があります。
キングアブドゥルアジーズ競馬場はやはり砂ベースの馬場ということもあって深さがあるので、米国よりも深いダートを走る日本馬に合ったコースなのは疑いようがありません。テーオーケインズは日本国内の地方と中央の砂を経験していますし、日頃ウッドチップで調教もされているので、馬場で能力が全く発揮できないということは無いでしょう。
能力のピーク時であることや、血統背景から見込める適応力の高さを見ても、ここは十分好勝負が可能。今回馬券発売は行われていませんが、日本国内から応援したいと思います。