ドバイWCデーの第6レースは「ドバイゴールデンシャヒーン」(以下、ドバイGS)。日本からはレッドルゼルとチェーンオブラブの2頭が参戦するが、大将格は昨年2着のレッドルゼルだろう。
昨年のドバイGSは勝ち馬が逃げ切る展開を、最後方から進めて直線は脚を伸ばして11頭をごぼう抜きにし、2着に好走。コース適性は証明済みで、雪辱を果たせるかに注目だ。
帰国後は秋のJBCスプリントでG1初制覇を果たし、レコードを1秒8更新して3馬身差で圧勝する勝ちっぷりだった。再び休養を挟んで臨んだ前走のフェブラリーSは6着に終わったが、安田隆調教師は「3ヶ月のブランクが大きかったですね」と振り返っており、久々で反応が悪かった点を敗因の一つに挙げている。
一方で、元JRA騎手の安藤勝己氏が自身の公式Twitterで「今日の展開だとあの位置でも届かない。馬場が軽くなりすぎたのが不運やった」と、敗因は位置取りと馬場にあったとも分析している。実際、当日は他のダート戦でも前残りが目立っており、道悪の影響で前が止まらない高速馬場と化していた。良馬場なら決め手をしっかり発揮できていたと考えても良さそうだ。
昨年は根岸S・1着、フェブラリーS・4着からというローテーションだったが、今回はかなり前から陣営がドバイ再挑戦を掲げており、叩き2戦目での挑戦となる。計画通りに遠征される今年はレース前の臨戦態勢としては昨年以上と言えるだろう。道悪の前走よりは確実に良い馬場で走れるだろうし、叩き2戦目の上積み、2着経験のアドバンテージと好条件が揃っており、今年は昨年以上の条件で臨めるのは確かだ。
レッドルゼル自身の臨戦態勢は申し分ないが、今年は骨のある相手も揃っている。米G1・2勝の実績があり、2走前のブリーダーズカップスプリントでも2着に好走したドクターシーヴェルを筆頭に、同じく米G1ウッディスティーヴンスSの覇者ドレインザクロックなど、米国組が驚異となりそうな気配。
ただ、ドクターシーヴェルは前走1400mの米G1・マリブSで7着に敗退しており、ドレインザクロックも同じく前走1400mの米G1H・アレン・ジャーケンスSで4着と、いずれも前走崩れている点は気がかりだ。条件的にはレッドルゼルに分があるここは、降せるチャンスは十分あると考えたい。
近年海外での実績を着実に積んでいる川田将雅騎手とのコンビも期待十分。昨年のリベンジを果たせるかに注目したい。