今年の大阪杯に出走する注目の上がり馬、ジャックドール。破竹の5連勝、圧巻のレコードタイムで金鯱賞を制し、一気にG1の舞台へと上がってきたモーリス産駒期待の1頭です。
初のG1挑戦、阪神は未勝利戦以来1年ぶり、4歳世代最強のエフフォーリアが相手と壁は高いが、G1馬のレイパパレとアカイイトを撃破して2馬身半差の完勝を果たした前走の金鯱賞の勝ちっぷりを見れば、十分通用する算段が立つ。
金鯱賞の見事な逃げ切りVに「快速馬サイレンススズカの再来」とうなったファンも少なくないはずだ。強敵エフフォーリアを相手にどこまで闘えるかの精査は無論必要だが、このタイプは相手関係云々よりもどこまで自分の競馬に徹することが出来るかどうかがより重要となってくる。
大阪杯の過去10年のデータ・傾向を見ると、「逃げ」は【2-1-2-6】、「先行」は【3-5-4-24】と阪神内回りコースらしい脚質傾向。久々のコースでもここはジャックドールにとって相性抜群のレースと言って良いだろう。同馬の気質や過去のレース傾向を見る限り、小細工を弄す必要はなし。今回も真っ向勝負で間違いないだろう。
一方のエフフォーリアは、中団から直線で早々と先頭に立ち押し切る正攻法の競馬を得意とするタイプで、操縦性の高さも十分。今回も早めに仕掛けていく競馬が予想される。最後の直線で前を行くジャックドールを捉えることは出来るのか?大きな見どころとなりそうだ。
エフフォーリアの存在も怖いが、ジャックドールにとって同様に怖い存在となってくるのが“同系馬”だ。前走の金鯱賞は玉砕的な快速馬パンサラッサがドバイへの出走が決まったことで、ハイペースの逃げ争いは避けることができた。今回は、有力な逃げ・先行馬に先月の京都記念で逃げ切り勝ちを果たしたアフリカンゴールド、昨年の大阪杯を逃げ切ったレイパパレの2頭がいる。この2頭が積極的に絡んでいく展開になれば、よもやの差し台頭ということもあり得るだろう。
上昇度は間違いなくナンバー1の快速馬だが、上昇カーブは果たしてどこまで続くのか。破竹の5連勝で重賞制覇を果たし高い素質をファンの前で披露してきた快速馬が、G1の大舞台でどんな走りをみせてくれるか注目だ。