始めに過去2年の重賞競走、G1競走、本年の先週までの重賞競走と皐月賞を比較をし、人気サイドで決まりやすいのか、または波乱が起きやすいのかを判断する。
下記の表を元に考えると、1・2番人気ともに馬券圏内が2度、ワイド回収率が75%となっており、近2年のG1競走の結果と比較すると波乱要素が高めのレースと言える。
- | 2020年 | 2021年 |
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人気両立(回・%) | 35 (27%) | 30 (23%) |
人気着外(回・%) | 24 (19%) | 26 (20%) |
3連複万馬券(回・%) | 66 (51%) | 63 (49%) |
ワイド払戻金 | 10,380 (80%) | 8,070 (63%) |
- | 2022年 |
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人気両立(回・%) | 10 (24%) |
人気着外(回・%) | 7 (17%) |
3連複万馬券(回・%) | 16 (39%) |
ワイド払戻金 | 3,790 (92%) |
- | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|
人気両立(回・%) | 9 (38%) | 8 (33%) |
人気着外(回・%) | 1 (4%) | 3 (13%) |
3連複万馬券(回・%) | 10 (42%) | 7 (29%) |
ワイド払戻金 | 2,510 (105%) | 1,920 (80%) |
- | 過去10年 |
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人気両立(回・%) | 2 (20%) |
人気着外(回・%) | 2 (20%) |
3連複万馬券(回・%) | 3 (30%) |
ワイド払戻金 | 750 (75%) |
※ 人気両立は「1・2番人気ともに馬券圏内」、人気着外は「1・2番人気ともに馬券圏外」、ワイド払戻金は「1・2番人気でワイド馬券を全レース購入したときの回収率」をそれぞれ示す
さらに、今年のG1競走は全て3連複万馬券であり、近3レースは1・2番人気が共に馬券圏外とのこともあり、前2年と比べて、傾向がガラリと違うかもしれない。
波乱になる要素がどこにあるのか、レースの勝ちタイムとラップタイムから探ってみた。
2021:2:00.6(60.3ー37.0)2−8−6人気 2020:2:00.7(59.8ー35.8)1−3−8人気 2019:1:58.1(59.1ー34.7)1−4−3人気 2018:2:00.8(59.2ー37.3)7−9−8人気 2017:1:57.8(59.0ー34.5)9−4−12人気 2016:1:57.9(58.4ー35.6)8−3−1人気 2015:1:58.2(59.2ー34.7)3−2−4人気 2014:1:59.6(60.2ー35.3)2−1−8人気 2013:1:58.0(58.0ー35.9)1−2−3人気 2012:2:01.3(59.1ー38.4)4−2−3人気
勝ちタイムの平均は1:59.3だった。最速と最遅のタイム差を見ると3.5秒も違いがあり、2014年しか似たようなタイムで決着していない。2011年以前の結果も見てみたが、1番近い結果だったのはディープインパクトが勝った年まで遡り、一定しないのが特徴だ。
さらに深堀すると、時計の速い・遅いで堅いか波乱かどうか言いにくい。
だが、1つ共通点が見つかった。スローペースからの上がり勝負で決まったことはなく、上がりタイムが34秒台になったのは3度あるが、勝ちタイムが1分58秒前後で高速決着になっていた。今年はどのような決着になるのか、そこから判断した方が良さそうだ。
まず、中山の芝のコンディションだが、先週、日曜日開催は時計が速かった。2勝クラスで1:59.2の勝ちタイム、前半5Fが60.3と決して速くなかった状況でだ。
さらに、1200mのOP競走ではレコードタイムに0.1秒差の決着。
超高速馬場になりがちな秋の中山開催ではなく、今年に入って11週も使っている馬場でこの時計の出方だ。今週の天気はやや崩れがちな予報だが、散水程度の雨だったら、関係ないだろう。1分57秒台の決着を想定した方が良いかもしれない。
ここからは有力馬が高速馬場を歓迎?不歓迎?を探ってみよう。
昨年のホープフルSの勝馬、直行ローテは2連続勝利中も後押し!キラーアビリティ
ホープフルSから皐月賞のローテは前例があるだけに全く不安はない。だが、当馬がどのくらいの実力の持ち主なのかが、重要になりそうだ。
まず、前走で負かせた馬が、弥生賞で上位入着をしているだけに、弥生賞を勝てるぐらいの能力は確実にあると言えるだろう。ただ、2分を切るか切らないかのレースでの計算になってしまっているのは、事実。
さらに、前半5Fが60秒を切ったことのあるレースに出走経験もないだけに、取捨が難しい。近2年のようにやや時計がかかるコンディションになった方が好走する確率が高そうだ。
昨年の2歳王者!トライアルをステップは本気度1番か!ドウデュース
前走の弥生賞は3〜4角で位置を悪くする不利を受けながらも、最後は差を詰めて、2着。無敗の4連勝で皐月賞に挑むことはできなかったが、デビュー戦から4戦、違う競馬場で好走を続けている点や1600〜2000m戦を使われている点は今回の出走メンバーの中で胸を張って良い戦歴である。
また、2走前に前半5Fが58.3のレースを経験している点も過去の皐月賞の傾向からして、かなり優位に立つと言える。
逆に言うと、時計のかかるコンディションになるのは歓迎ではないだろう。
東京スポーツ杯2歳Sで見せた末脚は怪物級か!イクイノックス
新馬戦は、後に2歳女王となるサークルオブライフに楽勝。すでにパフォーマンスの高さは評価して良いものだった。2戦目の東京スポーツ杯2歳Sでは32.9と飛び抜けた末脚を発揮して勝利。同レースは後にG1を勝利馬を多数出すレースであり、上がりタイムだけならば、2年前の皐月賞馬のコントレイルの33.1を上回っていたほどだ。
皐月賞は末脚勝負になりにくい競走であるために、鵜呑みにしてはいけないのも事実。だが、仮に、今回勝つようなことがあると、ダービーは絶対断トツ人気になるだろう。
そう思うと、割れた人気になる今回、先物買いをする手も1つ。
2連勝のパフォーマンスは余裕綽々、注目の共同通信杯勝馬!ダノンベルーガ
新馬戦は、レース上がりを0.8秒も上回る33.1を発揮し楽勝。2戦目には出世レースの共同通信杯。稍重の馬場で1:47.9の勝ちタイムは優秀。堂々とした走りはかなりの素質を感じた。
同馬もスローペースのレースしか経験がないために、追走に苦労しないかとの課題、出走が決定したのが先週木曜日とのことで、本気度に疑問点があるのはマイナスか。
ただ、イクイノックスと同じことが言えるのだが、人気を集め切る前に買えるのが今回で最後になる可能性も秘めた馬と言える。未知の魅力に賭ける手も1つか。
今回、4頭の馬をピックアップしたが、出走予定馬にはトライアル競走の勝馬や重賞勝馬も複数加えて、レベルの高いレースが行われるのは必須だろう。
安定した成績の馬に託すのも1手、または未知の魅力に賭けるのも1手。あとは、馬場の状況をしっかり把握することがとても大切になる。週中の天気はしっかり確認するべきだろう。
春のG1連続開催は一旦、終わることになるが、とどめの大波乱がもう1度、起きるかもしれない。週末がとても楽しみだ。