ギャンブル依存症対策を検討している民進党の作業チームが、国や自治体に対し競馬場などへ未成年者が入場できないようにする施策の実施を求める法案の原案をまとめました。
競馬場などの未成年者の入場制限 民進が法案原案
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170523/k10010991411000.html
競馬場などへの入場、ということで競馬場の他にもパチンコなどが対象となるようです。JRAが競馬の健全性を謳う以上、ギャンブル依存症は決して許すべきではない案件ですが、今回の未成年者の入場制限というのにどれほどの効力があるかということに疑問があります。現行の競馬法で既に未成年者の馬券購入は禁止されているため、入場を制限することとギャンブル依存への抑止力の関係性が明確に示せない以上、未成年者の権利を単純に制限するだけのものとなるのではないでしょうか。もし現行法に効力がなく、未成年者の馬券購入が横行しており、ギャンブル依存症への道筋となっているというのであれば、優先すべきは現行法のでしょう。
また、ギャンブル依存症対策であれば未成年者のみを遠ざけても仕方がなく、成人も対象としないことには意味がないのではないでしょうか。確かに、予め未成年者を競馬場から遠ざけておくことで、生涯競馬場に寄り付かないとなれば競馬によるギャンブル依存症にはなりえませんが、公営競技場としてそれは望む結果とは思えません。
現段階では原案ですが、今月中にも法案をまとめたいとのこと。実際のところは今とさほど変わらないのではないかと思いますが、それならば変更する意味もないでしょう。ギャンブル依存症対策が重要な課題だとは言え、仕事をしているフリのために文化を絶つ方向へ舵を切るのはやめてもらいたいものです。