競馬の春シーズンと言えば3週間後の宝塚記念までとなっているが、4/30の天皇賞(春)を皮切りに6週連続続いたG1開催は安田記念で一息つく。また、日本ダービーも終わり新馬戦も開幕するため、ここは競馬ファンにとって一年の幕開けとも言える週になる。春のマイル王者決定戦となる安田記念、昨年は王者モーリスが2着に沈みロゴタイプが復活を遂げた劇的結末を迎えた。モーリス引退により群雄割拠の様相漂うマイル路線には今年もドラマを生み出しそうな好メンバーが名乗りを上げた。
昨年の勝ち馬ロゴタイプが今年も参戦、そしてロゴタイプの翌年の皐月賞馬イスラボニータも長く勝てない時期を乗り越えて前走で見事に復活。昨年に引き続き6歳皐月賞馬の勝利が見られるか?そして最強世代と名高い現4歳世代を歯がゆくも縁の下で支えたエアスピネルがマイル路線で巻き返しを図る。そしてスプリンターズS勝ち馬レッドファルクスも距離延長でここへ参戦してきた。前走でも距離延長の京王杯SCを差し切り勝利、さらなる距離延長をどうこなすかにも注目が集まる。また、上がり馬では蹄葉炎から奇跡的復活を遂げたグレーターロンドンも目を離せない。蹄葉炎により命を落とす馬は少なくないが、そこから復帰したのみならず復帰後は4戦全勝。良血のためデビュー時から将来が嘱望されていたが、回り道を経てここで結実を迎えようとしている。
国内馬だけでもよだれが出そうなほど魅力的な馬が多数揃ったわけだが、今年は更に海外からも一級の刺客が2頭首を揃えた。昨年末の香港マイルでは香港のマイル王エイブルフレンドやロゴタイプ、ネオリアリズム等を抑え優勝したビューティーオンリー(セ6)に、5月7日の香港・チャンピオンズマイルでそのビューティーオンリーをクビ差でくだしたコンテントメント(セ6)が昨年に引き続き来日してくれた。どちらも相手にとって不足など無いバリバリの現役マイラーというわけだ。
外国馬に門戸を開いた1993年から昨年まででの23開催のうち外国馬の優勝は3回、そのうち2回が香港馬となっている。外国馬が勝てなくなってきたと言われるジャパンカップよりも更に難関と言える確率だが、それは出走馬の力関係にもよる。今年の力関係で言えば輸送による不利を差し引けばやはり日本馬有利は仕方ないだろうが、先日の来日からレース本番までどこまでコンディションを整えてくるか。反対に言えば、コンディションさえ整えば充分勝負になるレベルの競走馬がやってきたということだ。
今回この記事で名前を挙げなかった馬にもチャンスはたっぷりとある。良く言えば実力拮抗。しかし馬券を買うには非常に難航。見ごたえだけは保証する安田記念。ぜひ気持ちよくG1戦線を締めくくりたいものだ。