ダービーの枠順が発表されたが、色々とツッコミどころがある枠順となっており中々面白い。まず、今年は珍しく1番人気の最有力候補に推されている青葉賞勝ちのアドミラブルは大外の8枠18番となり、青葉賞馬のジンクスにますます拍車をかけるかたちとなった。
大外18番の過去10年の成績は[0-0-0-9]と不振。「ついに青葉賞組から初のダービー馬誕生か?!」なんて騒いで盛り上がっていたが、この枠番ではさすがに「ちょっと待てよ・・・」と言いたくなる。
さらに驚くべきはダンビュライトの武豊騎手が今回も最内1番に入った点である。ジャパンカップ、有馬記念、そしてダービー。この半年のG1で3度目の1番ゲートだ。過去10年で[4-2-1-3]とデータ的にも一番優秀な馬番である。これはインターネットの某掲示板が荒れそうだな・・・と思っていたら案の定、「またか」「あからさますぎだろ」「ホワイトユタカ」「JRAは武に買ってもらいたいんだろうな」と非難のコメントが殺到。アンチの意見が多いのは人気者の宿命だが、毎回これでは武豊も大変だなとつくづく思う。
それにしても枠順1つでここまで我々競馬ファンの心を揺さぶるとは、さすがはJRA。いつもファンを楽しませてくれるという意味では本当に良い仕事をする。
絶好枠に入ったのは皐月賞組の”2頭”!大外のアドミラブルは割り引かざるを得ないか?
まあ、個人的にはダンビュライトはそこまで評価が高い馬ではなかったが、この枠番は正直プラスと捉えざるを得ない。スタートもいいし、気性も良い馬で、この位置からならスムーズに前へ出ていけそうだし、前も抜けた馬がいないので少ないプレッシャーの中で進めることができそうだ。武豊が積極的にペースを作って瞬発力タイプをつぶすレースメイクができればこの馬の優勝も十分あり得ると思っている。ダンビュライトについてはそれなりの印を打つ必要がありそうだ。
さて、青葉賞組期待の星アドミラブルだが、さすがに大外のこの位置は割引材料だ。ダービーは一番運のある馬が勝つなんて競馬の格言があるが、枠順に関して言えばアドミラブルは運が悪い。ヴィクトリアマイル、オークスと近2戦はルメール騎手が連勝しているので、今週も外国人騎手が優勝するとさすがに日本人騎手の面子が・・・なんて思惑があるのかないのかわからないが、いずれにせよデムーロ騎手は少し気の毒な位置となった。
この馬の前走の評価はかなり高かったので今回も期待感だけはあったのだが、青葉賞馬というジンクスに加え、不振の大外、3戦連続2400mによる疲労の不安、出脚の遅さなど、不安材料がこれだけ揃うとさすがに買いづらくなる。今回のレースに限っては評価は落としたいと思う。
今回他で良い枠に入ったなと感じたのは福永騎手のカデナだ。7枠13番という外すぎず中すぎずの絶妙な位置は差し馬のこの馬にとっては最高枠。内すぎると包まれるし、これ以上外も付けにくくなるし、本当にここがちょうど良い。福永にとっては喉から手が出るほどほしいダービージョッキーの称号。今年はその称号を手に入れる大きなチャンスがまわってきたと見ていいだろう。
以上、枠順を見た第一印象を簡単に記したが、良い枠に入ったと感じたのはダンビュライト、カデナの2頭で、枠で割引となったのはアドミラブル。今回の枠順で各馬の評価がまた変わったので、当日までの馬場なども見ながらさらに予想を詰めていきたいと思う。