日本ダービーに待ち受ける競馬ファンだからこそ気をつけたい最後の罠

三大ほにゃららという分類が世界には多くあります。世界三大料理のフランス、中華、トルコ料理に、世界三大河川のミシシッピ、ナイル、アマゾン川などなど。では日本競馬における三大競走と言えば何でしょう?クラシック5レースのことを5大競走と言ったり、それに有馬記念、天皇賞(春・秋)を加えた八大競走、更に天皇賞を1つのものとして宝塚記念とエリザベス女王杯、ジャパンカップを加えた十大競走など様々な分類がありますが、三大競走と言うものは定義されていないようです。競馬には三冠というわかりやすい称号があるため、同じ三で括るのもためらわれると言ったところでしょうか。それでも三大競走を決めろと言われれば私なら有馬記念、ジャパンカップ、日本ダービー(東京優駿)を選びます。

有馬記念やジャパンカップ、天皇賞など古馬に開かれたレースであれば、競馬にのめり込んでいないような方でも名前が聞いたことのあるような馬が出走する場合もあるため、馬券を購入するにあたっては非常に門戸の広いレースといえます。一方でクラシックレースは3歳馬たちしか出走することは叶わないため、我々競馬ファンからしてみれば忘れがちですが「無名な馬」たちによる競走となります。オルフェーヴル、ディープインパクトと言った三冠馬にもなれば、競馬を知らない人でも名前を聞いたことがある程度には報道されますが、ダービー勝利以前の皐月賞馬にすぎない段階ではその取り扱い方も桁違いといったところ。そんな日本ダービーにもかかわらず、三大競走に選びますといって疑問を呈する競馬ファンはおそらくいないでしょう。ここが競馬の凄いところだと思います。もはや年末の国民行事的扱いの有馬記念だけは異次元の売上となっていますが、その他のレースには大きく差をつけた2着の売上を誇るのです。

売上上位レースの中でも特に競馬ファンの比重が非常に大きい日本ダービー

例えば有馬記念だけは競馬をやるという方でも、毎年有馬記念に参加していれば見覚えのある馬に毎年出会うことでしょう。一方で、ダービーだけは毎年買うという方は、毎年一切知らない馬だらけのレースとなるわけです。JRAも各所にこれでもかと広告を打ってはいますが、競馬を余り知らない方に、これで競馬を楽しめというのは正直酷な話だと思います。それでもジャパンカップや天皇賞といった超一流の古馬G1レースに影も踏ませない売上高となるのは、それだけ一年前の新馬戦開幕からはじまった長いレースの頂上に君臨する馬が誰になるのかが楽しみで仕方がない、純粋な競馬ファン達により作り上げられたレースである証でしょう。

その他のスポーツも観戦される方であれば、新人だけで作られたレースがこれほどの注目を集めるというのがどれほど異質なことかは想像に難くないでしょう。そんな異質な存在である日本ダービーに臨む我々の前に待ち受ける、競馬ファンだからこそ気をつけたい最後の罠と言うのが10R開催という点。そんな凡ミスするわけがないと思っていても、手癖で馬券を買ってしまうとついついメインレース=11Rにマークを付けてしまいかねません。実際にあった話ですが、ダービーの日ではありませんでしたが、私の友人が有馬記念のつもりで購入した馬券がハッピーエンドカップのものだったということもありました。

手売りで馬券を販売していた頃にダービーや有馬記念など普通の時間割では捌ききれないような大レースで特別な時間割を用いたころの名残とされていますが、発走後に気づいても後の祭りとなり買い直しも買い足しも出来ません。せっかく大事な大事なレースですから、慎重すぎるくらいに気をつけたいところですね。